活動内容

第128回研究発表会報告、堂園 光子 会員、高木 哲 会員(23.5.25)

第128回研究発表会報告、堂園 光子 会員、高木 哲 会員(23.5.25)

 YouTube 期間限定 5月30日(火)から6月5日(月)午後5時まで
    会員のみ限定公開 
 
◆日 時:令和5年5月25日 午後1時10分~午後4時00分
 
◆場 所:ひとまち交流館 京都 2階
 
◆研究発表:1.「日本書紀」その6 堂園 光子 会員
 
      2.「神功皇后の伝承」 高木 哲 会員
 
◆参加人数:ひとまち 24名
 
 
 
第1部は、「日本書紀」その6 堂園光子 会員です。

 前回は天武天皇までをお話いたしましたので、今回の発表は持統天皇から文武天皇までです。

 686年天武天皇が崩御し、鸕野讃良(後の持統天皇)は自分の独り子・草壁皇子を天皇にすべく、ライバルの大津皇子に謀反の罪をかぶせて処刑してしまいました。

けれども草壁皇子もその後3年もたたずに亡くなります(689年)。

 鸕野讃良はまだ幼い軽皇子(草壁皇子の子)を将来天皇にするために自分が天皇になります。そして軽皇子が15歳になった時に譲位し、自分は太政天皇として政治をとります。これが院政の始まりです。

701年(大宝元年)、首皇子(後の聖武天皇)が生まれ、持統上皇は崩御します。

 707年、文武天皇が崩御しましたが首皇子はまだ7歳の幼児なので文武天皇の母、阿閇皇女が天皇になります。(後の元明天皇)
次は元明天皇からを予定しています。
 
(会員 堂園 光子)
 
 



 
第2部は「神功皇后の伝承」 高木 哲 会員です。
 祇園祭で「都草」が応援している「大船鉾」、主祭神は神功皇后、他に住吉三神・鹿島大神・安曇磯良が加わります。「船鉾」も同じ祭神で、神功皇后単独は「占出山」です。神功皇后は全国に多くの伝承があり、中でも「三韓征伐」足がかりの九州には3000ほどの伝承地があり、特に北部九州に多くのものがあります。私も実際に幾つかの伝承地を歩いてみました。皇后は和名が息長足姫尊で「真人」として、宗像・安曇・海部・津守などの海人を束ねる立場にありました。  
 

 九州の土蜘蛛(反逆者)征伐に夫の仲哀天皇と九州に行くのですが皇后の神懸りで「九州より金銀財宝のある新羅へ行け」とのご神託で三韓征伐に向かいます。(仲哀天皇は神託を信じず亡くなります)下関の豊浦宮(忌宮)から九州に入り伊都国王の出迎えを受け、武器調達(甲宗八幡)軍事訓練(皇石神社)や軍船調達(帆柱山)などを行い仲哀峠を越えて、宗像大社で戦勝祈願、香椎宮に行宮を作り大本営(仲哀天皇はここで崩御)で作戦会議を行います。皇后は臨月が近かったので鎮懐石八幡で石を抱き、近くの玉島川で鮎釣りの戦勝占いを行いました。(占出山の伝承)

 新羅を打ち破り新羅王子未斯欣を人質に凱旋しました。凱旋後宇美八幡で応神天皇をご出産、臍の緒を箱に入れ筥崎宮に奉納、撃鼓神社で乳の出を祈り、九州の軍人たちと別れを大いに祈念し(大分八幡;オオブハチマン)など伝承があります。日本書紀にかなりの部分が記載されてますが、
私が感激したのは書記にある「(戦勝祈願で)奉納神田造りを命じ、那珂川の水を神殿にひく溝を掘られたが、大岩ふさがり皇后の祈りで急に雷が落ち大岩を踏み砕いて水を通した、これを裂田の溝(サカタのウナデ)【日本書紀口約】」そのままの名前と溝があり1700年前の用水路として日本の最古の産業遺産となっているのを見た時です。神功皇后の活躍した四世紀はまだ日本に文字がなく、中国の三国志魏志倭人伝(289年)の卑弥呼を皇后に見立てたといわれ、時代のずれが120年ほどあるのですが、高句麗の広開土王の碑(息子の長寿王が414年建立)に400年前後に倭国との度重なる交戦で新羅・百済を助けたとの内容があり「三韓征伐」の史実を裏付ける資料と言われています。

 祭神「安曇磯良」は「金印」で有名な志賀島の志賀海神社の祭神(「船鉾」に磯良の像が祭ってあります)、潮の満ち引きを司る珠を持っており、皇后が水先案内を命じました。長野の安曇野や安曇川など子孫が全国に散っています。磯良は平安時代から続く奈良春日大社の若宮おん祭り「細男舞」が神功皇后と磯良の出会いを演じています。
戦後GHQの指導で朝鮮に関する侵略征伐の表現は禁じられ、神功皇后・武内宿禰、三韓征伐などは教科書からも廃止されました。日韓国交から1984年全斗煥大統領が国賓で来日した時「凱旋船鉾ではまずい、大船鉾に変える」と保存会資料にもあります。
何はともあれスーパーウーマン神功皇后を祭神とする大船鉾を今後とも応援よろしくお願いします。
                                 (会員 高木 哲 )

                               (広報部 岸本 幸子)

 
 
 
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