わくわく倶楽部　フィールドワーク大原方面(24.3.13)

わくわく倶楽部　フィールドワーク大原方面

日時：令和6年3月13日（水）10:00～14:00
天気：曇時々時雨
参加：16名
コース：京都バス「野村別れ」バス停→惟喬親王陵→梅宮神社→役場橋→乙が森→大原女の小径→
　　　　呂川の清流→良忍上人絵伝→勝手神社→来迎院→（音無の滝）→三千院角で解散

先ず、惟喬親王御墓を目指します。途中須田清司部員の名解説による、プラタモリが放映された撮影場所での「大原の里にたなびく小野霞（おのがすみ）」について、この霞は、古くから大原の村人に親しまれてきたという。
霞がかかった朝は、とっても幻想的。寒暖差が大きい大原盆地ならではのこと。タモリが収録後にも単独で訪れたという。

第55代文徳天皇の第1皇子として惟喬親王が生まれた。幼い頃から聡明で愛されたという。親王が7歳の時に異母弟宮・惟仁親王（後の清和天皇）が生まれ運命は暗転した。
惟喬親王は、54歳でなくなるが、平安王朝の華やかな表舞台から退き、山深い里に隠棲。
病没された悲運の惟喬親王は、木地の良材を求め山野を渡り歩いて山の民となり『木地師の祖』として蘇りました。

大原上野町の集落入口に『浄楽堂』と呼ばれる惟喬親王ゆかりのお堂がありました。
道を挟んだ公民館脇に樹齢300年程の「上野の一本杉」と呼ばれる巨杉がどっしりと腰を下ろしていました。
大原の里 10名木の一つであり注連縄がはられており、ご神木になっています。

次に梅宮神社は、大原八箇所の産土神である江文神社（大原野村町）の境外摂社で、御祭神は木花咲耶姫。江文神社の妻女を祀ったと伝わることから、姫宮とも呼ばれる。役場橋を渡り乙が森に向かいます。

乙が森（おつうが森）の伝説に、大原の昔話に大原の里におつうという娘が住んでおりました。
ある日上洛の若狭の殿さまの目にふれ、おつうは玉の輿、殿様の国に召され夢ごこちの毎日を過ごしていましが、病にかかると戻されました。
おつうは悲しみのあまり、大原川の女郎渕に身を投じ、たちまち美しい姿は大蛇に変わりました。ある日都入りする殿様の行列が大原の花尻橋のところで襲った。暴れ狂う大蛇は家来により一刀のもと切り捨てられ、その夜から激しい雷雨や悲鳴に見舞われ、恐れた村人は大蛇の頭を森に埋め霊を鎮めたという。

大原女の小径の入口には、永六輔が作詞した『女ひとり』の歌碑が迎えてくれます。
この歌は、昭和41年のヒット曲で聴けば「恋に疲れた女性がひとり癒しの旅に出て京都をさまよっている」情景を浮かんでくるような歌碑を右に見ながら呂川の清流のせせらぎを聞きながら勝手神社に向かいました。
呂川は、大原川→高野川→鴨川→淀川と名前を変えながら大阪湾に注いでいます。

三千院の傍の呂川にそって、良忍上人絵伝（一）出家、爾（二）隠棲、（三）悟り、（四）勧進、（五）入滅　を横目で見ながら、勝手神社→来迎院→音無の滝に向かいました。
勝手神社には、勝手明神が祀られており、三千院、来迎院、勝林院の守護神として崇敬されています。
壁面には、米寿に奉納する『桝飾り』というものらしく、四角と棒は『米』にちなんだ桝と杵、板には「米寿」「八十八歳」と奉納された方のお名前と誕生日らしい日付が入っていました。
本殿に上がる階段は5段ほどですが、つま先あるきをしなければ、いけないほど狭く、急な階段でとても危険です。

来迎院は、声明中興の祖である聖応大師良忍上人が建立して、天台声明の根本道場とされてより現在に至っています。山号は『魚山』。本堂には、本尊、薬師如来、阿弥陀如来、釈迦如来が安置されています。
いずれも藤原時代のすぐれた仏像であり、重要文化財であります。

音無の滝は、良忍上人はじめ、家寛（後白河法皇の声明の師）湛智など代々の声明法師は、この滝に向かって声明の習礼をされたという。初めは声明の声が滝の音に消されて聞こえず、稽古を重ねると滝の音と声明の声が和し、ついには滝の音が消えて、声明の声のみが聞こえるようになったという。それで音無の滝と名付けられたと言われている。

三千院の角地で解散となり、有意義な一日でした。
須田清司部員の名案内とワクワク倶楽部の野津隆部長大変お世話になりました。
楽しい一日となりました。有難うございました。

報告：吉野克行部員
写真：吉野克行・小松香織・坂本孝志・岡本正二・熊谷喜輝
広報：熊谷喜輝