活動内容

フィールドワーク 上久世散策(2023.6.24)

フィールドワーク 上久世散策(2023.6.24)

日 時:令和5年6月24日(土)午前10時~午前11時45分
天 候:曇り時々晴れ
参加者:16名
コース:JR桂川駅~蔵王堂光福寺~綾戸國中神社~JR桂川駅(約2㎞)

【本日のコース】

本日のコース

梅雨の晴れ間に実施された今回のフィールドワークは、JR桂川駅からのスタートとなりました。

まずは、駅周辺の変遷、ならびに駅の設置等にまつわる話に耳を傾けました。ちなみにJR桂川駅には、駅所在地の「久世」が副駅名として付けられています。

JR桂川駅

【蔵王堂光福寺】
桂川駅を出発して、本日の最初の訪問地である「蔵王堂光福寺」を目指しました。
駅から歩くことおよそ10分。見頃を迎えた紫陽花に気を取られていると、急に、一面が緑のカーテンで覆われたような光福寺の参道が目に入ってきました。ちょうど、参道の中間地点で、右手には、神仏習合ゆかりの鳥居が見えています。かたやもう一方に、立派な山門が私達の到着を今や遅しと待ち構えています。はやる気持ちを抑えるかのように、ここで、本日、参加できなかった会員から託された「蔵王堂光福寺」に関する資料が披露され、予習もバッチリ!いざ、山門へ。

蔵王堂参道
蔵王堂山門前にて

「蔵王堂光福寺」は西山浄土宗の寺院で、本尊は、「蔵王権現」です。954年、村上天皇の勅願寺として、浄蔵貴所によって創建されました。
平安京の裏鬼門の寺として都を鎮護する役割を担い、かつて「京の七つの森の」一つに数えられた「蔵王の森」には、蔵王堂、薬師堂、不動堂などの堂宇が点在しています。

蔵王堂境内

その蔵王堂の中央に本尊「蔵王権現」。左側に「浄蔵貴所」と「役行者尊」、右側に「観音菩薩」と「地蔵菩薩」が祀られており、会員同士で代わる代わる、お参りをしました。

蔵王堂本堂

そして、「久世六斎念仏」は、国の重要無形民俗文化財であり、現在は、ユネスコ無形文化遺産「風流踊」に登録されています。

久世六斎念仏

しばらくして、境内の散策が済んだ後、同地において、次の訪問地である「綾戸國中神社」と「久世駒形稚児」そして、祇園祭との関係性について、祇園祭研究会部長から詳細な資料とともに説明が始まりました。

当日のレジュメも合わせて振り返ってみると、
・もともとは、綾戸宮と國中宮に分かれおり、戦国時代に綾戸宮の境内に國中宮が移され、「綾戸國中神社」と称されるようになったこと。
・國中宮は、私達が先程、訪問した「蔵王堂光福寺」にある「蔵王の杜」に鎮座されており、中世には「牛頭天王社」とも呼ばれていたこと。御神体は、「駒形(馬の首の彫り」であること。

9綾戸宮・國中宮

・「駒形稚児」と祇園祭の関係については、

“「國中社は素戔嗚尊の荒御霊なり。八坂郷祇園社は素戔嗚尊の和御霊なり。依って一体にして二神、二神にして一体で神秘の極みなり。」と古文書に記され、「御神幸の七月十七日に訓世の駒形稚児の到着なくば、御神輿は八坂神社から一歩も動かすことならぬ。若し此の駒故なくしてお滞りあるときは、必ず疫病流行し人々大いに悩む。」とも伝えられている。

出典 綾戸國中神社H.P.                           

とあるように、ご神体である駒形を奉じ、神の化身として中御座神輿の先導を務める「久世駒形稚児」は、騎乗のまま八坂神社の本殿に昇殿すること。
そして、何より大切なことは、両者が一体となって祇園祭を行うことができること。
これにより、駒形稚児の重要性と祇園祭との深いつながりを感じました。

その後、木々の緑が美しい境内にも別れを告げ、次の訪問地である「綾戸國中神社」へ。

【綾戸國中神社】
近年の本殿は、東海道新幹線建設(昭和39年)に伴い、現在地への移動を余儀なくされましたが、頻繁に往来する新幹線の走行音も全く気にならない静かな境内です。会員各自が自由に鳥居、石碑、二種類の狛犬、本殿、社号額等を見学したのち、来月のフィールドワーク(もちろん、祇園祭関連です!)の説明を聞いて、解散となりました。

綾戸國中神社
綾戸國中神社境内にて

今回の散策は、4年ぶりに通常開催される「祇園祭」へ向けての言わば「予習編」、しかも、祭りの本質を学ぶ貴重なフィールドワークとなりました。否が応でも祭りへの期待が高まります。

最後になりましたが、今回、初めて報告係(?)を仰せつかりました。拙い文章でしたが、最後までお付き合い下さいまして、誠にありがとうございました。

報告:野村会員
写真:八木澤哲雄・熊谷喜輝
広報部:熊谷喜輝

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