第111回歴史探訪会西部会『上賀茂神社深掘りウォーク 緑の風に誘われて』(24.5.17)
第111回歴史探訪会西部会『上賀茂神社深掘りウォーク 緑の風に誘われて』
♦日 時: 令和6年5月17日(金)13:00 ~ 15:15
♦集合場所: 上賀茂神社二の鳥居前
♦コース : 上賀茂神社境内(細殿前庭、片岡社、新宮神社、賀茂山口神社・渉渓園、藤原家隆歌碑)~
社家町(藤木社、梅辻家)~北大路魯山人生誕地 ~大田神社
♦参加費 : 500円
♦参加人数: 41名(会員31名 + スタッフ・担当理事10名)
♦天 気: 晴れ
五月晴れのもと、葵祭の余韻の漂う上賀茂神社の境内をじっくりと見学した。境内を出てからは上賀茂伝統的建造物群保存地区に指定されている明神川沿いの社家町を東に進み、大田神社の境内で解散した。
上賀茂神社二の鳥居前でスタートする予定を変更し、木陰を求めて二の鳥居内の細殿前庭でスタート。まず大村会員より上賀茂神社の社史、神紋の葵、立砂、鳥居の注連縄について解説があった。
次に同じ場所で、吉村会員から上賀茂神社と馬にまつわる祭事として、白馬奏覧神事、賀茂競馬足汰式、賀茂競馬、笠懸神事について詳しい説明があった。
そして場所を片岡橋に移して、堂園会員より賀茂別雷大神が上賀茂の神山に降臨して上賀茂神社の祭神となった由緒、上賀茂神社第一摂社の片岡社(片山御子神社)とその祭神である玉依媛命、片岡社と紫式部とのエピソードについての説明があった。
片岡社横の御物忌川沿いを少し上ったところに新宮神社があり、熊谷会員から新宮神社とその祭神である高龗神(タカオカミノカミ)の解説があった。
新宮神社を後にして、紫式部の歌碑の前を通り、澤田川沿いに渉渓園と向かった。
高橋会員より渉渓園の歴史や4月の第2日曜日に行われる賀茂曲水の宴の解説があった。
上賀茂神社境内では御手洗川と御物忌川が合流してならの小川となっている。ならの小川は、小倉百人一首98番で、藤原家隆により「風そよぐ ならの小川の 夕暮れは みそぎぞ夏の しるしなりける」と詠まれており、その歌碑の前で俊藤会員から解説があった。
ならの小川に沿って歩を進めると上賀茂神社の社家町に出てくる。ここからならの小川は明神川と名前を変える。
明神川沿いに東へと向かうと、上賀茂神社の境外末社で、瀬織津姫を祭神とする藤木社と出会う。明神川沿いに佇む小祠で、樹齢500年といわれる古木の下に祀られている。
藤木社前は車の通行が多いので、後ほど堂園会員から藤木社の説明が行われた。
藤木社で南へ向かう明神川に別れをつげ、梅辻家へ向かう。
山下会員より梅辻家は上賀茂神社の神主になる家筋「賀茂七家」の一つで、現在の建物は、現存する賀茂七家唯一の社家遺構。また主屋の座敷部は天明の大火以前の京都御所の御学問所を移築したものと解説された。
俊藤会員から大田神社近くに生家があった北大路魯山人の詳しい説明が行われた。
国の天然記念物のカキツバタが咲き誇る大田神社の境内で、堂園会員から神社の概要と祭神の天鈿女命(アメノウズメノミコト)が解説された。
今回のウォークでは全体の歩行距離を少なくして、各ポイントでじっくりと説明できた。このようなスタイルの例会も行っていきたいと思う。
報告:大村隆清部長
写真:須田信夫・熊谷喜輝
広報部:熊谷喜輝