歴彩館・府民協働連続講座「第11回 都草講演会」(2022.12.18)
歴彩館・府民協働連続講座「第11回 都草講演会」(2022.12.18)
日時:2022年12月18日(日)
場所:京都府立京都学・歴彩館大ホール
講演:元京都市歴史資料館員 伊東宗裕氏
テーマ:計量の歴史と京都の神家(じんけ)
第1部:はかりの神家と枡の福井家
第2部:ひとりでできる古文書撮影
参加者:98名
令和4年12月18日、京都府立京都学・歴彩館大ホールにて府民協働連続講座「第11回 都草講演会」を催し、参加者は98名でした。
講師には元京都市歴史資料館員の伊東宗裕氏を迎え、「計量の歴史と京都の神家(じんけ)」と題して講演していただきました。
第1部では、30年前に計量器の研究に専念された経験をもとに、「はかりの神家と枡の福井家」についてお話いただきました。
計量に用いる度量衡のうち、重さをはかるための「秤(はかり)」は「神家」、量をはかるための「枡(ます)」は「福井家」、いずれも江戸時代初期あるいはそれ以前から続く京都の旧家が、製造および西国三十三国を管理統制する権利を幕府から得ることになりました。ただ歴史の教科書にもほとんど載っておらず、一般的にはあまり知られていないようです。
伊東氏は在職中に両家の資料整理に携わってこられ、とくに福井家については『京枡座福井家文書』上下(京都市歴史資料館)に主要なものを翻刻出版されました。
その中の一史料『御枡改帳』から年間の枡の製造個数を割り出し、その数が西日本での枡の需要量にはとても足りないことを発見、福井家による枡の支配は限定的であったのではないかと指摘管くださいました。
両家の資料については、福井家資料は1990年に重要文化財の指定を受けましたが、神家については古文書約400点、秤などの器物は京都市歴史資料館に寄託されているものの、残念ながら指定の実現には至らなかったようです。
第2部では「ひとりでできる古文書撮影」と題して、伊東氏が自作のスタジオ作りと古文書撮影のノウハウをご披露下さる楽しい時間となりました。 (副理事長 松枝しげ美)
(広報 須田信夫)
(写真 須田信夫)