京都学・歴彩館府民協働連続講座 第13回都草講演会(2023.12.17)
京都学・歴彩館府民協働連続講座 第13回都草講演会(2023.12.17)
日時:2023年12月17日(日)
場所:京都府立京都学・歴彩館大ホール
講演:朧谷寿氏(同志社女子大学名誉教授)
テーマ:「藤原道長と紫式部」
参加者:291名
12月17日(日)午後2時より、歴彩館大ホールにて朧谷寿先生(同志社女子名誉教授)による「藤原道長と紫式部」の講演会が行われました。この日は寒波の到来にもかかわらず、会場の大ホールにはほぼ満員の300名近くが集まり大盛況でした。
初めに「次の大河ドラマの『光る君へ』とは誰のことでしょうか?」と私たちに疑問を投げかけられたので、これから始まる大河ドラマへの期待をふくらませながら講演をお聴きしました。
まず、道長の妻女と天皇家についての家系図の説明から、道長がどのようにして天皇家と結びついたか、次に紫式部の誕生から結婚、中宮彰子への出仕、死去までを資料を紐解きながら、ユーモア溢れる語り口で難解な資料を私たちにわかるようにお話しされました。道長が権力の中枢に上り詰めた背景や様子を『紫式部日記』や『小右記』、和歌などの引用も現代風に説明していただき、とても理解しやすく思いました。
特に『紫式部日記』における道長の孫の誕生の記述ではその状況が生き生きと描かれ、道長の記した『御堂関白記』にはその歓びが「踊るような字」で書かれていることを説明され、もう一度ゆっくり鑑賞してみたいと次に一般公開される時が待ち遠しくなりました。
『源氏物語』は道長の存在なくして生まれなかったことが納得いきましたし、平安貴族の官位制度や複雑な任官制度、当時の慣習などの説明では知らなかったことがたくさんあり、NHKの大河ドラマでは視覚的にどのように描かれるか楽しみです。(会員 西條 貴子)
(広報 須田信夫)
(写真 須田信夫)