旧議場土曜講座 10月は「楽しもう!時代祭」(2018.10.20)
旧議場土曜講座 10月は「楽しもう!時代祭」(2018.10.20)
旧議場土曜講座の平成30年度下半期が始まりました。
今年もテーマは「京の四方山ばなし」、6回にわたり都草会員が講師を務め、様々なお話しをお届けします。
第1回は岸本幸子理事による「楽しもう!時代祭」。時代祭の2日前という絶好のタイミングで、歴史から見所など、ご自身が撮影された写真をふんだんに使用してご紹介しました。
私が京都の事を勉強し始めて、一番興味を持ったのがお祭でした。祭は昔からのお道具や衣装、作法といった伝統を伝え、受け継ぎます。大人から子供までが一体となって取り組む事から文化がうまれ、それが地域の発展につながっています。そんなお祭りの中から、今回は時代祭りのお話をさせていただきました。
時代祭は、長岡京から平安京に遷都されたとされる10月22日に行われ、京都三大祭りの中では大変歴史の浅い祭です。明治維新によって著しい衰退を見せた京都の町おこし事業の集大成として、明治28年に平安神宮が創建され、そこに寄せられた人々の熱意の象徴として創始されました。運営しているのは平安講社で、平安神宮の管理と保存のための市民組織として作られました。全市域からなる市民組織で11社あります。各時代の行列毎に責任を受け持つ学区が定められ、当初は6列、500名の規模で始まりました。現在では明治維新時代、江戸時代、安土桃山時代、室町時代、吉野時代、鎌倉時代、藤原時代、延暦時代の8時代を20の行列に分けて、1列ずつ担当しています。また江戸時代婦人列、中世婦人列、平安時代婦人列は五花街が輪番で奉仕しています。総勢約2000名の人々に牛馬70余頭が加わった全長2km余りの一大行列の規模は、全国にその比を見ません。
朝8時から平安神宮で神幸祭が行われ、桓武天皇と孝明天皇の御霊代を遷した2基の鳳輦が大極殿から京都御所に向かいます。そして各時代列も、それぞれの組で衣装を着付け京都御所に集合します。祭に使われている道具や衣装など約12000点は、できるだけ正確に復元されています。受け継がれてきた京都の伝統工芸技術の素晴らしさが見られる、正に時代絵巻というに相応しいものです。この技を未来に受け継いで行くためにも、祭を続けることは重要です。また今年は明治150年を記念して、戊辰戦争で幕府と戦った「山国隊」の姿を伝える山国隊軍楽保存会(右京区京北)が、行列出発前に建礼門の前で行われる行在所祭で奉納演奏を行います。地元の子供達が祭に参加して、歴史を学ぶことができる良い機会になると思います。
平成最後の時代祭は124年目、これからも京都全市民協力しあい、次の世代に伝えていける社会であって欲しいと思います。ちなみに、新しい元号になる来年は10月22日に皇居・宮殿で新天皇の「即位礼正殿の儀」が行われることが決まっており、10月26日(土)に実施されます。今年は平成最後、来年は新しい元号の時代祭、何か変化があるのか今から楽しみにしています。どうもありがとうございました。
(理事 岸本幸子)
旧議場土曜講座は毎月第3土曜日の13時30分から15時までです。今年度も、毎回事前申込制になっています。毎回好評で、申込み受付開始日に定員に達してしまうことが多くあります。多くの方がお越しになることが予想されますので、お聴きになりたい方は早めにお申し込み下さい。
申込先は京都府府民総合案内・相談センター
TEL075-411-5000(電話受付時間:平日9時~17時)です。
今後のテーマと講師は以下の方々です。
平成30年11月17日(土曜日)13時30分~15時00分
テーマ:嵐電界隈が面白い
講師:中江好喜会員
平成30年12月15日(土曜日)13時30分~15時00分
テーマ:京都のすぐき漬
講師:岡田英三郎会員
平成31年1月19日(土曜日)13時30分~15時00分
テーマ:庚申信仰とお猿さん
講師:住邦夫会員
平成31年2月16日(土曜日)13時30分~15時00分
テーマ:鴨川の橋を巡る
講師:高橋明俊副理事長
平成31年3月16日(土曜日)13時30分~15時00分
テーマ:京都の神仏分離と廃仏毀釈の名残を探る
講師:石田一雄会員
詳しいお問い合わせ先は
府庁旧本館利活用応援ネット事務局 電話075-414-5435 です。
ホームページはhttp://www.pref.kyoto.jp/sisan/news/doyoukouza.html
(広報部 須田信夫)
(写真 岸本幸子、須田信夫)