活動内容

京都学・歴彩館府民協働連続講座 第9回都草講演会(2022.1.16)

京都学・歴彩館府民協働連続講座 第9回都草講演会(2022.1.16)

 

日時:2022年1月16日(日)

場所:京都府立京都学歴彩館大ホール

第1部 発掘報告 「京都新城の発見」

         京都市埋蔵文化財研究所調査課長 南孝雄先生

第2部 講演 「豊臣秀吉の京都新城とその時代」

         大山崎町歴史資料館館長  福島克彦先生

          対談    南孝雄先生 福島克彦先生

参加者:189名

 

第9回都草講演会が1月16日、歴彩館大ホールで開催されました。

 

今回のテーマは「豊臣秀吉と京都新城」。
 

都草講演会

 
豊臣秀吉最晩年の居城「京都新城」は長らく文献上でしか確認できず、幻の城と呼ばれていましたが、2019年秋から2020年春にかけて行われた京都仙洞御所内の発掘調査で初めてその痕跡が確認され、今世紀最大の発見と大きく報道されたことも記憶に新しいと思います。

 

この発掘調査を担当された京都市埋蔵文化財研究所の南孝雄調査課長には発掘報告を、大山崎町歴史資料館福島克彦館長には京都新城に関する講演を、と2部構成の講演会を企画したところ、200名近い方が参加下さいました。講演会の模様は翌日の京都新聞にも掲載され、多くの方に知っていただける機会となったこともとても感謝しています。

 

長年、多くの発掘現場で石垣調査の経験のある南先生は、今回見つかった石垣が下層部に濃い色彩のチャート石、上層部には白っぽい花崗岩が使用されていることに注目され、京都新城は見た目も統一された美しい石垣の城であったことを指摘されました。京都新城はその後高台院が住み、寛永4年の後水尾上皇の仙洞御所造営の際に壊された形跡があることを説明下さいました。
 

発掘報告をする南孝雄先生
発掘報告をする南孝雄先生

 

城郭史と文献史がご専門の福島先生からは、様々な史料上でも「やかた」から次第に「しろ」という表現に変化していくことを指摘され、このあたりに秀吉が最晩年に内裏のそばに新しく居城を構えた目的、さらには洛中に築かれる「城」の特徴が見えてくる…など、文献を丁寧に見ていくことの大切さを教えていただきました。
 

講演する福島克彦先生
講演する福島克彦先生

 

最後は南先生にもう一度ご登壇いただいて先生方2人でご対談。対談時間を設けることで、参加者の皆さまにはさらに興味を深めていただいたようです。
 

対談する南先生(右)と福島先生

 

京都新城が築かれた時代は、秀吉の息子の秀頼が朝廷から官位を与えられる時期と重なっていることから、聚楽第と同様、武家関白をめざした豊臣家だったからこそ、内裏の近くに居城を築く必要があったのだろうと締めくくって下さいました。
 

対談する南先生(右)と福島先生

 

この日は、同じ連続講座を担当されているカッパ研究会主催の講演会も同時開催となり、コロナに負けずに頑張って下さいと嬉しいお言葉をかけてくださいました。
 

会場風景
受付風景

このような時期にも関わらずお手伝いいただきましたスタッフの皆さまにも心から御礼申し上げます。

(副理事長 松枝しげ美)
 (広報 須田信夫)
(写真 須田信夫)

 

 

 

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