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旧議場土曜講座 12月は「文化の発信地としての遊廓~島原を中心に」(2021.12.18)

旧議場土曜講座 12月は「文化の発信地としての遊廓~島原を中心に」(2021.12.18)

 

旧議場土曜講座12月は、植山政雄理事による「文化の発信地としての遊廓~島原を中心に」です。

 

旧議場土曜講座「文化の発信地としての遊廓~島原を中心に」
土曜講座が開かれた府庁旧議場

 

遊郭や遊女というと、すぐに牢獄のようなところを想像するが、実は上方と江戸でずいぶん実態が違う。主に上方は緩く江戸は厳しい。私たちの持つイメージはたぶんに江戸の吉原に偏っている。

ちなみに太夫(上方)は位名、花魁(江戸)は高級遊女を指す総称である。島原の太夫は芸妓の最高位であり、江戸の花魁は娼妓の最高位という違いがある。

時代が下がるにつれて、上方と呼ばれる京や大坂の遊女はすべて遊廓への出入りが自由になっていった。京の島原では芝居小屋も併設され、一般の老若男女がたくさん出入りしていたようである。当時の文化人などは遊廓内で宴席を設けて親孝行をしたくらいだった。 また、大坂新町などは門も多く、江戸期の早い時期から出入りする門数も増える一方だった。遊郭は一般に人の少ない場所に設けられるが、大坂新町は町中にあり、多くの人でにぎわった。

ところで、江戸吉原は異常に火事の件数が多いのが特徴である。これは、町火消しが中に入らなかったのと、妓楼や茶屋の主人が鎮火を望まなかったのも大きな理由だろう。全焼すれば遊廓の外で商売ができる。その方が客も入って儲かるし、遊女たちも外へ出られるのが嬉しかったからだといわれている。

なにより、特に江戸吉原の遊女たちはファッションリーダーであり、トップスターだった。一般の女性たちの憧れの的であり、女優のような華やかな存在だったのである。彼女たちの一挙手一投足が芸術であり、そこで培われたお茶やお花、囲碁将棋などが洗練されて近代以降の文化の発展にも大きく貢献したのである。           (理事 植山政雄)
 

講演する植山政雄理事
土曜講座が開かれた府庁旧議場

 

次回以降のテーマと講師は以下の方々です。

 

1月15日(土):「『平家物語』を深掘り」(講師は團道代会員)

申込期間:12月20日から1月14日まで

2月19日(土):「風流な文化人 足利義政」(講師は須田清司理事)

申込期間:1月17日から2月18日まで

3月19日(土):「府庁が見ていた 明治後期の京都」(講師は西野嘉一理事)

申込期間:2月21日から3月18日まで

申し込み先は京都府府民総合案内・相談センター、TEL075-411-5000(電話受付時間:平日9時~17時)

またはメールに氏名・住所・電話番号を記載して411-5000@pref.kyoto.lg.jp にお申し込みください。

詳しいことをお知りになりたい方は、京都府府有資産活用課TEL075-414-5435までお問い合わせください。

 

(広報 須田信夫)

(写真 須田信夫)

 

 

 

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