瑞龍寺の雪景色~岐阜市~(会員投稿)
2013.02.10
瑞龍寺の雪景色~岐阜市~(会員投稿)
岐阜市にある瑞龍寺の雪景色
会員番号134 櫻井 博
私は毎日京都市伏見区の自宅から勤務先の岐阜市に通勤していますが、先日勤務先のすぐ近くにある瑞龍寺という臨済宗妙心寺派のお寺の雪景色の写真を写して来ましたのでご紹介します。
ここは、現在京都で特別公開中のお寺と縁のあるところです。
今年1月10日から3月18日まで、京の冬の旅で非公開文化財特別公開ということで、妙心寺東海庵が特別に公開されています。
東海庵は、妙心寺の塔頭寺院の中でも由緒ある妙心寺四派の一つで、最大の門流である「東海派」の本庵であり、ここは書院西庭の史跡名勝「東海一連の庭」、書院南庭、方丈南の「白露地(はくろじ)の庭」という趣の異なる美しい3つの庭で知られ、書院には狩野派の絵師が手がけたと伝わる障壁画が残っていることで知られています。
この「東海派」を興したのが、悟渓宗頓(1416~1500)です。
今回は、この悟渓宗頓にゆかりのある岐阜の瑞龍寺についてご紹介します。
悟溪宗頓は、尾張国の出身であり、応仁元年(1467)、美濃守護代斎藤妙椿の援助によって瑞龍寺を開山しました。
その後、悟渓宗頓は文明11年(1479)京都大徳寺の第52世となり、同16年(1484)には妙心寺に入り、応仁の乱のため荒廃した京都の妙心寺の復興の基礎を築き、東海庵を興しました。明応9年(1492)9月6日85才で没し、ここ瑞龍寺に葬られました。悟渓宗頓の墓は、瑞龍寺山門の西側、築地塀で囲まれた中にあります。
<瑞龍寺山内を歩く>
瑞龍寺は岐阜駅から北東に約1.5km、金華山の南に連なる山を背景に、参道をはさんで塔頭6ヶ寺があり、そのつきあたりに禅堂があります。
ここは臨済宗妙心寺派の寺院で、山号は金寶山といい、雲水(禅の修行僧)の修行道場として知られています。
先月、久しぶりの大雪になった瑞龍寺の雪景色はとてもきれいでした。
<雪景色の瑞龍寺>
●総門
総門を入ると参道の右側に瑞雲院、鶴棲院、臥雲院があり、左に、天澤院、開善院、雲龍院の6つの寺(塔頭)があります
●悟渓宗頓の墓
山門を入ってすぐ西側にあり、「虎穴塔」と呼ばれています。
●まっすぐ続く松並木の参道
●山門と山門から見た「緋紅梅」と本堂方面
専門道場のためここから内部は普段は非公開ですが、毎年3月上旬のぎふ梅まつりに合わせて無料拝観が行われます。斎藤妙椿の墓と、守護土岐成頼の墓も、この中にあります。
奥に見えるのは「緋紅梅」といわれる銘木で、この花が咲く様子はとても素晴らしく、来月はぜひこの花を見に訪れていただきたいところです。
※去年の梅の花のようす
●築地塀と本堂方面
●鐘楼
塔頭雲龍院は、軍神廣瀬中佐母堂之墓所として知られています。
<瑞龍寺の沿革>
元々、この地には飛鳥時代より、中林寺、厚見寺などと称した寺院が存在し、その後廃寺となっていた由緒のあるところという。
応仁元年(1467)、美濃国守護である土岐成頼に仕えていた守護代斎藤妙椿が、成頼の菩提所として瑞龍寺を建立し、悟渓宗頓国師を迎えて開山。悟渓宗頓禅師は荒廃していた寺域を修し、文明2年(1470年)に七堂伽藍が完成する。美濃国尾張国を中心に、東海派禅門の古道場として知られていたという。
瑞龍寺
岐阜市寺町19番地
境内自由
(櫻井 博 会員投稿)
(事務局 小松香織)