第1回ガイド現地研修会~奥谷組資料館見学~(13.3.26)
2013.04.02
★(株)奥谷組 設計部 千田真由美様のご案内をいただきました
第1回ガイド現地研修会~奥谷組資料館見学~(13.3.26)
◆日 時:平成25年3月26日(火) 午後2時~午後3時30分
◆集合場所:阪急電鉄 西京極改札出口
◆参加費:500円
日本の木造建築、なかでも堂塔や伽藍を中心とする寺社建築はその集大成であり、最高峰のひとつであると考えてます。
千数百年にも及ぶ永い歴史を持ち、きわめて高度な技術と美意識を誇る木造古建築の新築、改築、修復など、寺社に関するすべてをまかせられる専門企業として、奥谷組は全国の仏教界、神社界の皆様から絶大な信頼を寄せられています。
そういった観点から、今回は特に古建築に興味のある会員の皆様方には、全国で有数の素晴らしい企業が京都にあることを是非知ってもらいたかったのと、眼前にある設計図面や模型など巧みな技をじっくり拝見し、説明を受けガイド知識を大いに深めて戴きたく計画致しました。
研修会担当理事 中江好喜
社寺建築・奥谷組資料館見学 感想
● 社寺建築の根幹は、人間の信仰対象物を製作するということにある。あくまで勘と気から発するアナログ匠の世界である。今のデジタル万能では事が済まない。
● 即ち 我々と同じ生命と細胞を持つ木をお相手にしなければならない。そして木は一つとして同じものは存在しない。木は千差万別である。そして各々の細胞が呼吸し、水を出したり吸うたり、太ったり縮んだりする。
● 奥谷組さんは、根幹となる木の確保・備蓄・乾燥はもとより、製材から加工・取付まで、木工事のすべてを自社直営の工匠によって行う一貫システム(技量の資質維持向上のため、宮大工技術者、製材加工技術者、原木確保目利き技術者、構造・意匠・原寸設計者の自前で維持確保)を確立。これが、最大の特徴とされている。だから手がけられた作品は有名どころがずらり。西本願寺、知恩院、北野天満宮、上賀茂神社、伏見稲荷、大徳寺、東福寺等々枚挙に暇が無いほどだ。崇高なる信仰対象物を”日本で最高の木材を使い日本で一番良い社寺建築会社に施工して貰いたい。”というユーザーの熱意に応えられ、会社としての存在性を求めておられる素晴らしさ。全国の仏教界・神社界から強い信頼を得ておられることに、見学させて頂き始めて納得した次第です。
● 作業場には桧、杉、台湾桧、ラオス桧、米檜、欅など世界各地から大径原木が所狭しと存在している。向きが良いと耳にされれば何処へでも飛んで確保に確保をされている毎日。さすれば、世界的原木枯渇の当世、これからの千年後も国宝を後世に伝える事が可能となる大きな意気込みを、感動をもって感じることが出来ました。
●五代目社長千田日出雄さん直々の 時間をお忘れになられるほどのご案内とご説明。我々の為に ひょっとして時間が無くっても沢山な見学者に 社長がガイド役を何時も買われているのだろうか?
何れにしろ素晴らしい社長のガイドに感激と感謝でいっぱい。
●資料館の“百聞は一見に如かず”的、存在に感謝。
① 宮大工の「隠し技」といえる継ぎ手や仕口。台形や三角形、長方形を組み合わせ、さまざまな形で部材が抜けない工夫をしていることが、木造模型で一目りょう然。クギなど金具が使えなかった時代、宮大工の試行錯誤した跡が覗え、社寺建築が何百年も風雪や地震に耐えてきた理由が分かった。
② また、社寺の屋根の複雑な構造も模型にして展示。普段見ることができない、屋根の裏側を覗き見ることができた。特に社寺建築独特の屋根の反りを形作る精緻な技の秘密を知り得たことに感謝。
(寄稿 伴仲啓良会員)
★会員の皆様の興味津々ぶり
★(株)奥谷組 代表取締役社長 千田日出雄様
★素晴らしい資料館に驚きました♪
★中国にはないという桔木(はねぎ)について説明がありました
★会員の方々の真剣なまなざし
★檜皮葺の高価なことに驚きます!
★中江好喜理事からのお話 お陰様で大変有意義な見学となりました!ありがとうございました
(事務局 小松香織)