第20回都草研究発表会(10.7.8)
第20回都草研究発表会(10.7.8)
◆日時:7月8日(木) 午後1時15分から
◆場所:ひとまち交流館京都(下京区河原町通五条下ル東側)
◆発表:その1 『京都の神社のご祭神』 発表者 都草理事 住 邦夫
その2 『<近代京都>におけるタクシーの誕生』
―「おふれまい」研究事始―最近の調査内容を盛り込んで
発表者 都草会員 熊谷 保
◆参加人数:40名
◆参加費:500円
★意表をつく面白いお話をされ、参加者を笑わせる住理事
神様のことは皆さんご存知のようでいて、お人に尋ねられました時など明瞭になかなか説明出来ないというようなことはございませんでしょうか?この度住理事が古事記全体を表わしたものということで、神統譜抄をなんと20分で解説するという荒技をくりだしました。時間の関係でそのようなことにはなりましたが、この位は覚えておく必要のある重要な神様について簡潔にお話下さいました。古事記、日本書紀における神名表記の対比、下鴨神社の言社7社の御祭神はそれぞれ大国主神の別名であるということ、やはりしっかり意識しておきたいこととして、御霊系という言葉は二通りに使われているというお話もありました。また、①皇祖神を祀る神社、②藤原氏の氏神、③スサノヲの神社、④大己貴の神社、⑤宗像・住吉・八幡、⑥大山咋・猿田彦の神社、⑦その他の京都の神社、のように系統によって神社を大きく7種類に分類し、それぞれに当てはまる京都の神社についてご教示下さいました。⑥のところでやっと京都に本宮のある神社が出て来るというお話の中で、京都は古いといっても神道はもっと古いということですという言葉が印象的でした。そして木島坐天照御魂神社(このしまにますあまてるみたまじんじゃ、いわゆる蚕の社)や月読神社、三宅八幡宮は、もっと研究されていい、研究に値する神社であるとのことでした。
★住理事のレジュメから
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★パワーポイントでの自己紹介から始まりました。
★近代京都の車が写っている写真に興味があると話される熊谷会員
次に熊谷会員からの発表がありました。京都について既に知られていることから、その奥へ一歩踏み出す活動が熊谷氏の<京都探求>ということだそうです。研究の動機になった京都のタクシー・ハイヤーの「おもてなし」の原点である「おふれまい」の風景、そこから京都に初めてタクシーが登場したのはいつか?に興味を持ち、平成20年から研究をされているそうです。その活動をされている中で、発見・気付きの瞬間に“知的浮遊”を体験しているとのこと。その際の興奮がいかばかりかは、氏のこのことを話される表情で十二分に伝わりました。日本の自動車史の黎明期について史実的に正確に書かれた本はわずかで、公共性が強い乗合自動車(バス)に比べ、タクシー・ハイヤーの記録は殆ど残っていないとのこと。それでもまず、京都で初めて自家用車を走らせたのは後川文蔵氏であり、彼がタクシーも最初に開始したということが、『京都経済時報』、『日本自動車工業史稿(2)』、「京都日出新聞」、「大阪朝日新聞京都附録」により判明。つまり京都で初めてタクシーが走った日付は1914(大正3)年7月15日。走らせた場所が祇園石段下「甘賞堂」であることをタクシー開業時の新聞広告、『京都地籍図』、『電話番号簿』で確認。タクシーの拠点は祇園町北側291番。広告代理業の草分けである後川文蔵を中心とする京都自動車株式会社がタクシーを走らせた。誕生の背景には「京都市三大事業」と「大正御大典」があったとの説明もあり、今年度の研究テーマに関する事項についても少し触れました。
★真夜中でも“知的浮遊”を体験すると奥様を起こしてしまうそうです!!奥様に同情。
(事務局 小松)