第31回文化交流部会 町中の能を訪ねて(2020.12.07)
第31回文化交流部会 町中の能を訪ねて(2020.12.07)
日時 令和2年12月7日(月) 午前10時~12時30分
コース 池坊短期大学正門前(集合)→菅大臣神社→新玉津嶋神社→平等寺(因幡薬師)→鉄輪跡→夕顔の墳→佛光寺→神明神社→錦天満宮→誠心院→誓願寺
参加者 24名
『町中で能楽を楽しむ』
予定募集人数の20名を少し越えた24名が、好天の下、鶏鉾町の池坊短大前で集合。
今回の散策は500年前、狩野永徳の「上杉本 洛中洛外図屏風」に描かれている、室町通~松原通~四条通など散策しながら、能楽に関係する場所を10カ所訪れ解説しました。その内9カ所が寺社で、千年前から数百年前に創建されましたが、町中の密集地域であり火災・水害・地震などで崩壊、焼失。都人は再建を繰り返し、今日までこれらの寺社を残してきました。
室町時代には京に観阿弥・世阿弥親子が奈良から来て今日の幽玄能を確立。観世流には約200番の演目がありますが、その20%は京の町を背景とするものです。
現在、能楽の中心地は東京ですが、京都は「能楽の聖域」、「原点地」です。
これらを前提として「菅大臣神社」「新玉津嶋神社」「因幡薬師」「夕顔伝説」「佛光寺」「神明神社」「錦天神」「誠心院」「誓願寺」を訪れ、簡単に能楽を解説。そのほとんどが世阿弥作といわれているものです。
また能楽だけでなく、町中を散策しながら松原通にはお稲荷さんが多いこと、上がる下がるにあまり知られていない通りがあることなどを案内しました。たとえば「若宮通」「小田原町通」「諏訪町通」「不明門通」「間之町通」など。さらに烏丸通西側の京都銀行本店付近には「高島屋」の創業地があり、創業者の飯田新七は東にある「因幡薬師」を信仰し、灯篭などを寄進、今日でも同社は寄進を続けています。それ故にわが国百貨店でトップを続けているのです。
京都の町中に「能楽の聖地」を散策し、改めて京都の町の良さを感じていただきました。
次回(実施日:未定)ですが、「祇園祭と能楽」について、皆さまと共に勉強したいと考えております。
(会員 木村哲夫)
今回の文化交流部会では、参加された会員の皆様に説明がはっきりと聞こえる様、ワイヤレスガイドシステムを使用いたしました。
町中の騒音の多い場所でも、説明が良く聞こえたと好評でした。
(広報 須田信夫)
(写真 小松香織)