わくわく倶楽部（フィールドワーク）室町通りを歩く②（18.5.30）

くわく倶楽部（フィールドワーク）室町通りを歩く②

日　時　：　平成30年５月３０日（水）13時30分～15時30分　雨模様
参加者　：　10名

13時３０分、上京中学校正門前出発

　この中学校の発掘調査で多数の金箔瓦が発掘されています。秀吉の時代、聚楽第へ後陽成天皇の行幸を仰いだ時に、御所からの往復路に大名屋敷を配置し、金箔瓦を葺かせました。朝日夕日に映え美しい景観であったろうと思われます。

　この上京中学校の塀もそうですが、YWCAなどに著名なレンガ塀があるのをご存知でしょうか。そもそも、レンガはなぜ赤いのでしょうか？レンガの建築文化はヨーロッパから伝わっています。もっともヨーロッパの土質には鉄分を含んでいるために屋根なども赤くなるのだと聞いたことがあります。日本でも美しい色を安定して出す前の実験的な作品が、または意図的にレンガの面白さを出す例として作られたのかもわかりません。その作品が室町通りに集まっています。

「清和院内裏・土御門内裏跡」という石碑が、清和院教会の前に建っています。ここに清浄華院が寺町に移るまであったために清和院と言う名がつけられたのでしょう。鳥羽天皇、崇徳天皇、近衞天皇の３代に渡り２４年間、里内裏として存在しました。

　烏丸通近くに水戸藩邸跡の碑が建っています。この屋敷も蛤御門の変で燃えてしまいます。この屋敷で収集された京都の文化が現在も水戸に残されているのです。

護王神社では日本一の「さざれ石」を見学しました。一千年間歴史の中で忘れられていた和気清麻呂が明治になってこの地に遷され、お札にまでなった稀有な人でした。昔は近衞家の屋敷のあった場所です。現在では町名にのみ残されています。

　室町通りに戻ります。出水通りに来た時、西南角に最近増築された山田松香木店があります。

その東北角に、御幣を掲げた小さなお猿さんを見つけました。猿が辻と全く同じです。北を向いた同じスタイルに思わずにっこりしてしまいました。

　平安女学院では、旧二条城跡で西の端がどこまであったかを、二つの説で紹介しました。室町通り説と新町通説です。

　丸太町通を南に越え、竹屋町に至りました。西北角に丸喜の会社がありました。この店は、三越百貨店の京都における仕入れ部門を一手に引き受けた部署だとのことです。現在では総合仏具店になっています。室町の変化の一部を見たような気になりました。

（報告：田村光弘専務理事）
（写真：小松香織・熊谷喜輝）
（広報：熊谷喜輝）