活動内容

都草丹波支部 活動行事報告 「佐伯灯籠祭の夕べ」(15.8.14)

都草丹波支部 活動行事報告 「佐伯灯籠祭の夕べ」
                      丹波支部長 井上 享一

ドンドコドンドコ、ドンドコドンドコ・・・、地を這うような太鼓の音が止まらない。大人の背丈ほどの大きな太鼓をやぐらに組んで、両側から打ち手が渾身の力で叩きまくる。
ここは、亀岡市街から少し外れた旧佐伯郷。この地に鎮座する四社合同の祭礼で、とくに女神(おんながみ)さんの「御霊神社」が男神(おとこがみ)さんの「稗田野神社」に「夜這い」をかけると言い伝えられる。まさに「男女和合」、「子孫繁栄」、「五穀豊穣」を願う祭の原型。

神灯籠
神灯籠

今回、丹波支部では支部員の誰も未体験の「佐伯灯籠」鑑賞会を支部行事として、特に坂本理事長にもご参加いただいて催行。祭そのものは7月初めの灯籠作りに始まる約1か月半の準備があって、14日の本祭りには昼ごろから神輿・灯籠の氏子域内巡行が行われ、日暮れとともにクライマックスを迎える。我々はその内の最後の一部分を拝観しただけなのにもかかわらず、その多彩な祭行事の進行の中で、ただただ圧倒されてしまった。

夕方6時半ごろからは「人形浄瑠璃」の上演。佐伯独自に継承する「串人形」は、文楽完成以前の形態を残すといわれ、黒子一人が一体の人形を操る。演目は浄瑠璃の定番、「菅原伝授手習鑑」「絵本太功記 尼ヶ崎の段」「御所桜 堀川夜討 弁慶上使の段」など。太夫と太棹はあくまでも素朴で、独特の節回し。 

人形浄瑠璃会場風景
人形浄瑠璃会場風景
佐伯灯籠人形浄瑠璃全体風景
佐伯灯籠人形浄瑠璃全体風景
同 舞台アップ
同 舞台アップ
一人遣いの串人形
一人遣いの串人形
一人遣いの手技
一人遣いの手技

夜9時を過ぎると、冒頭の太鼓がますます強烈にリズムを刻み、人々の期待は否が応でも最高潮。祭初体験の我々は、これからいったい何事が始まるのかとワクワクドキドキ。そして、その時、それまで拝殿に鎮座していた神輿が動いた。法被腹掛けの屈強の男衆4~50人に担がれて、逃げる太鼓の後を追って、斎竹の外へ。決死の形相の男衆に担がれた神輿は、参道を行きつ戻りつした後、終に、鳴り止まぬ太鼓に向かって突撃。神輿の長柄は太鼓のやぐらを直撃し、横転した太鼓の上に乗り上げて、ワッサワッサと身もだえする。これがうわさに聞いた「太鼓がけ」。「夜這い」を体現する、祭のハイライト。縄文時代も斯くやと思わせる圧倒的な迫力で、観衆は悉くタイムスリップしてしまった。  

神輿
神輿
太鼓かけ①
太鼓かけ①
太鼓がけ②
太鼓がけ②

祭は、五穀豊穣の神事と盂蘭盆会の仏事が習合し、人形浄瑠璃と灯籠の風流行列が組み合されて、豊かな伝統の中で継承され、素朴で力強さを感じさせる見事なものでした。

夕食には前回も登場のとり貝寿司
夕食には前回も登場のとり貝寿司
本日の参加者の皆さん
本日の参加者の皆さん

(写真撮影 小松香織会員)
(広報部  熊谷喜輝)

活動内容
このページの先頭へ戻る

Copyright © MIYAKOGUSA All Rights Reserved.