第153回研究発表会報告、伊藤 一彦 理事、野津 隆 会員(26.10.16)
第153回研究発表会報告、伊藤 一彦 理事、野津 隆 会員(26.10.16)
YouTube 期間限定 10月21日(水)から10月27日(火)午後5時まで
会員のみ限定公開
◆日 時:令和8年10月16日 午後1時10分~午後4時00分
◆場 所:ひとまち交流館 京都 2階
◆研究発表:1.「キリスト教と茶道」 伊藤 一彦 理事
2.「開業150年を迎える京都駅を知ってますか?」野津 隆 会員
◆参加人数:ひとまち 20名
第1部は、「キリスト教と茶道」 伊藤 一彦 理事 です。
1 はじめに
2 キリスト教伝来初期の布教のようす
来日したイエズス会宣教師は、茶の湯を布教活動の一助にする方針を示していた。布教地の儀礼や習慣などを布教活動に取り入れる考え方を「適応主義」という。

3 教会堂を描いた絵画
神戸市立博物館や南蛮文化館が所蔵する「南蛮屏風」には、茶室で聖餐式が行われる様子や外国人
宣教師が茶碗をもつ姿などが描かれている。
4 堺のようす
『イエズス会日本年報』には堺の繁栄のようすが記載されている。堺に仮聖堂があったこと、本格的な
聖堂が完成したことが年報に記載されている。聖堂の規模、所在地については、現在特定できていない。
5 千利休について
千利休は安土桃山時代の茶人。堺の商人出身。織田信長、豊臣秀吉の茶頭をつとめ、「茶の湯天下
一の名人」とうたわれた。切腹していること、複数の女性と関係もっていることから、利休はキリシタンでは
なかったとされる。

6 キリシタン茶人
利休とつながりがある高山右近、蒲生氏郷、大友宗麟、黒田孝高などの茶人たちは熱心なキリシタン
であった。高山右近と蒲生氏郷は「利休七哲」。
7 細川三斎と古田織部
「利休七哲」の細川三斎と古田織部はキリシタンではないが、以前、織部はキリシタンであったと考えら
れていた。織部燈籠がキリシタンの礼拝対象だったことは現在否定されているが、対象であったと考え
られるものも存在する。

8 キリスト教と茶道の共通点
聖書には、「小さな門から入れ」という一節がある。茶室のにじり口はとても小さいが、千利休が聖書の一節を具現化したという説がある。濃茶は一つの茶碗の茶を回し飲みすることが作法。キリスト教の聖餐式でも聖杯の葡萄酒を信者が回し飲みをする。茶巾と聖布を使って茶碗や聖杯を拭く所作、茶巾と聖布のたたみ方も酷似している。
9 まとめと考察
(理事 伊藤 一彦)
第2部は「開業150年を迎える京都駅を知ってますか?」―その魅力の再発見と将来展望に関する一考察―野津 隆 会員です。
皆さんが日頃、京都の玄関口としてご存じの「京都駅」が誕生したのは明治10年(1877)2月5日。この日明治天皇のご臨席のもと開業式が執り行われました。
来年は開業150周年を迎えるこの駅をより知って頂くために自称鉄道マニアの観点から学び直してみたく発表致しました。

①京都駅は4人の駅長さんがいらっしゃること。
②現在の駅舎は4代目であり、お馴染みの京都駅ビルも来年は30周年を迎えること。を紹介し、初代から4代目に至る駅舎の変遷を振り返りました。
特に大正3年(1914)に大正天皇ご大典にあわせて誕生した2代目駅舎はルネッサンス様式木造の2階建て総ヒノキ造りの立派なものであったこと。

昭和25年(1950)11月18日に駅舎食堂の従業員更衣室にあったアイロンの電源からの失火で全焼したこと。翌年から建設された鉄筋2階建ての3代目駅舎は機能重視のデザインで一部8階建ての塔屋を有したビルだったこと。
そして駅舎本体の老朽化を解消し、国際都市京都の玄関口にふさわしい駅ビル新築として国際コンペ方式でそのデザインが選ばれたのが原広司氏の案であり、ユニークな空間構成と琳派の装飾性に富むデザイン、光と影を利用したデザイン感覚で建設されました。
特に駅北の京都タワービルとの絶妙な空間調和は、平安京遷都1200年を表徴する存在として世界から評価を受けていること。
中央コンコースのガラス4000枚使用の吹き抜けやJR京都伊勢丹にある大階段は渓谷美の景観親しまれている他、非常時の避難経路として想定されていること等、興味の尽きない楽しい駅舎でもあります。

後半は京都駅小ネタ集の紹介。日本一長い在来線ホームがあること。新幹線八条口には開かずのシャッターに隠された貴賓出入口があること。そして関空特急はるか発着の30番線ホーム地下には2022年で使用停止した旧CATの空間が存在していること。
0番線や31~34番があるのに15番~29番は欠番の謎・・・最後に将来の京都駅を北陸新幹線京都駅設置で展望すると有力な桂川駅周辺地下駅設置案では現京都駅との間にアクセス時間が在来線2駅分約20分かかること。などを紹介しました。
現在の4つある駅を大切に利用し、その恩恵と京都の玄関口たるにふさわしい進化を期待してお話を終えました。以上(会員 野津 隆)
(広報部 岸本 幸子)