旧議場土曜講座 11月は「遺して生きたい日本のたばこ文化」(2023.11.18)
旧議場土曜講座 11月は「遺して生きたい日本のたばこ文化」、谷川清三会員がお話ししました。
皆さん、昨今は「たばこ」と言う言葉を聞くだけで、いやな思いされる世の中です。
元々日本では、「たばこ」は嗜好品に類し、良き嗜好品として嗜まれていました。そしてその嗜好品である日本独自のたばこ=刻みたばこ=莨を、より美味しく嗜める「きせる」で一服味わえる「良き日本のたばこ文化」を、特に「遺して生きたい日本のたばこ文化」と題してお話しをさせていただき、この「良き日本のたばこ文化」をご理解願いたく、お話しを進めさせていただきました。
先ずは「たばこ」について、
たばこは本来、外来語です。ポルトガル語 ⇒tabaco=煙草、莨
スペイン語 ⇒tabaq = 薬 草 と称します。
たばこは、ナス科のニコチアナ属、ニコチアナ・タバカム品種で、原産地は 南米のマヤです。
たばこは、元来、「嗜好品」です。嗜好品は、年老いてうま味がわかるようになり、節度と品位を守って、摂取する過程をも、大事に楽しむものなのです。
たばこであれば、日常の時空とは異なった、ゆっくりとした非日常の時空へしばし誘ってくれるところに、たばこの嗜好品のよさがあります。
つぎに「きせる」について、
きせるの伝来は、たばこと共に慶長年間(約1600年頃)と言われ、きせるもまた蕃語(外国語)です。
きせる = 喜びを世に留める= 喜世留 と称します。
きせるは、火皿のある雁首と、竹管と、吸い口の三つの部分より成り、刻みたばこを吸う専用のパイプです。
喜世留 は、嗜好品である莨を、小さな火皿の上に少し軽くのせ、莨盆の火入の中の炭火で火を貰い、羅宇竹(らうだけ)を通しゆっくりと喉元へ運び入れ、自然に気化した柴煙の、香りや味を美味しく、味わうことができます。この嗜好品である莨の柴煙の、香りや味を美味しく味わえる、味わい方が、今風に言う処の、クールスモーキングであります。
きせるとは, 本来、日本の近世=桃山、江戸時代の武士、商人、庶民の人間中心の文化を、日本的な創意、意匠、技巧をもって現し造られた、あらゆる階級層の生活感情を示せるものとして、装飾の意に用いられたものです。
そして「たばこ文化」については、
「日本の伝統的たばこ文化」とは、日本独特のたばこである「刻みたばこ」を、自己の趣味性をも高らかに誇っている「喜世留」で、一服味わい、日本的な創意、意匠、技巧を以って現し造られた、莨入れや、莨盆等を愛でながら、愉しみ、憩うこと、ではないでしょうか。
最後に、
このような、日本古来の素晴らしい伝統技術に培われた「日本の伝統的たばこ文化」を、節度と品位を守り、成人の粋な世界として、後世へ遺して生くことに、皆さまのご理解とご協力、ご支援を、宜しくお願い申し上げ、結びとさせていただきました。(会員 谷川清三)
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(広報 須田信夫)
(写真 須田信夫)