第5回 研修バス旅行(高野山・慈尊院)(15.4.22)
第5回 研修バス旅行を終えて ~天空の聖地 高野山とその山麓を尋ねる~
研修部長 中江 好喜
第5回の研修バス旅行は、「いま行かなかったら永遠に観ることが出来ない」との願いから開創1200年を迎える天空の宗教都市・高野山とその山麓に建つ高野山参詣の表玄関にあたる慈尊院を訪ね、あこがれの秘仏2躯と向き合った。
参加者48名を乗せ予定通り8時00分京都駅南口付近の京阪ホテル前を出発。
高速道路を利用し幸いにも渋滞に巻き込まれることも無く大阪府を縦断し10時35分頃最初の訪問地である女人高野・慈尊院に到着。
慈尊院は、弘仁7年(816)弘法大師によってこの地に伽藍を創建したのが始まりです。
「わが子の開いている山を一目みたい」との一念を抱き高齢にもかかわらず善通寺より御母公が大師を尋ねようとしましたが、大師は自ら七里四方を女人禁制としていたので山麓の当院へ迎えました。一か月に9回も御母公に会うため下山したことからこの地を「九度山」と名付けられたと伝えられている。
どうしても拝観したかったのが21年振りに開帳された国宝の弥勒仏坐像。昭和36年の調査で実態が確認されるまで幻の仏像であった。男性的な体型で、肩が張り、胸板が厚く重厚さが感じられた。また、蓮華座に残された色彩も大変美しく「さすがは国宝」と納得。
その後、慈尊院の南側の高台に鎮座する丹生官省符神社を訪れ、高野山町石道を確認するとともに旅の安全を願い聖地、壇上伽藍に向かった。
大門を横目に見ながら食事場所である高野山大学の教室で昼食に舌鼓。なにせこの時期2カ月前から予約を入れるも全てアウトでこのような事態となった次第で「ごめんなさい」。
食後は金剛峯寺を訪れ、持仏堂に御本尊として安置されている弘法大師坐像を拝観。なんと16年ぶりの公開とか。日本最大規模の石庭と言われている蟠龍庭を見学のあと、いよいよ壇上伽藍の中心に創建
された根本大塔や金堂を内拝し大日如来を中心とした立体曼陀羅や、高村光雲作の秘仏、薬師如来像に思わず手を合わせた。
また、172年ぶりに再建された立派な中門は地元の高野槇を使用した入母屋造、桧皮葺、五間三戸の楼門で、四天王(内2躯、増長天、広目天は松本明慶作)が配され伽藍を守護。
一昨年にガイド研修において松本工房を訪れ、平成の大仏師と言われる明慶師からいろいろとお話を窺っていたため、なにかしら親近感を覚えた。
そのあとは、今回初めて自由行動とし、霊宝館(高野山三大秘宝と快慶作孔雀明王像)、金剛三昧院(国宝の多宝塔)、奥之院(御廟を祀る聖地)などのコースに分かれ各々が天空の聖地で充実した約2時間を持ち英気を養った。
帰途の集合場所、時間については全員が厳守してくださり予定通り金剛峯寺前を午後4時に出発し6時30分過ぎに京都駅に何事も無く無事到着した。道中、いろいろとお手伝いやご協力いただいた関係者の皆様、お行儀のよかった会員の皆様に厚くお礼申しあげます。
「来年は何処がいいのかなあ?」 「そうだあそこがいいのでは!」
(写真撮影:小松香織)
(広報部:熊谷喜輝)