活動内容

第59回研究発表会(14.3.13)

 第59回研究発表会(14.3.13)

◆日 時:平成26年3月13日午後1時10分~午後4時00分
◆場 所:ひとまち交流館 京都 3階
◆研究発表:1. 「てくてく歩いて“京の六地蔵めぐり”」木村哲夫会員
      2.「世界遺産の魅力について学ぼう!」久保美智代会員
◆参加人数:40名
◆参加費 :300円   一般参加費 :500円
 
 第1部は京の良さを求めて「てくてく歩いて“京の六地蔵めぐり”」 木村哲夫会員は都草設立当初より会の活動に参加され、これまでにも研究発表会や地蔵研究会で数々のご発表をして頂きました。
それらの発表の内容は少しずつ異なりますが、一貫して“京の良さ”とは何か、を求めてこられたご発表でした。
 

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京都のどこに魅力があるのか、これほどまでに人々を惹きつける魅力は何なのか・・・。今まで色々な切り口から京都の魅力を模索してこられましたが、去年酷暑の中40キロの道のりを歩いて六地蔵巡りをすることで、京の良さの根底にあるものが見えてきたと感じられています。
江戸時代より京の町中で商いをする家に育ってこられた木村さんは、京都の古い行儀・作法に反抗し、華やかな欧米文化に大変な憧れを抱きながら、生まれ育った京都から離れ、ビジネスマンとしての時間を過ごされました。
それがあるきっかけから、「京都の良さ」は何かを知るために、その根底にある何かをずっと探し求め続ける京都暮らしを始められます。
 

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神社仏閣、庭、仏像、山車、陶器など形あるものから、仏教、神道、茶道、華道、芸能など形のないものまで、実際に経験し、体験することで、京都に息づく文化はそれらが互いに融合して生み出されていることを、これまでのご発表の中で私たちに伝え続けてこられました。
では、これらのものの中に共通する精神は何なのかを考えたとき、それは「安らぎ」であるとおっしゃいます。京都にある17箇所の世界遺産のうち16箇所が、カミ・ホトケに関するものであることからも、それは容易に想像できます。
 

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8月の正に地獄のような暑さの中、「六地蔵」を歩いて巡ることで大切なのは、まさに一歩一歩足を運ぶこと、人々はこの「アナログ」から「安らぎ」を見出し、300年以上もの間、六地蔵巡りが続いてきたのではないでしょうか。
最後は時間も迫り、駆け足になった六地蔵巡りのご体験紀。
どのように道のりを決定し、何を見つけ、何を感じながら歩いてこられたのか、もう一度じっくりとお話を伺いたいところです。(記事 松枝しげ美)
 
 

 
 第2部はみなさんこんにちわ~っと、とても元気な挨拶が印象的な旅する世界遺産研究家、久保美千代会員です。これまでに訪れた世界遺産は50ヶ国以上、357ヶ所でご活躍の様子をお話していただきました。
愛媛県出身で人一倍海外への憧れが強かった。最初の仕事は愛媛テレビ局のアナウンサーでその後東京へ。東京でのアナウンサーの仕事は厳しく空いたスケージュールの合間に飛び立ったのがアメリカテキサス州。
 

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レンタカーを借りカナダとアメリカの国境に向け毎日ドライブ。日本では見たことのないグランドキャニオンなどの偉大な景色に感動したのが世界遺産との出会いでした。観光だけでなく世界遺産のある街に住みたいと思いはじめまずは奈良へ。次が姫路そして京都です。
 町の世界遺産で一番好きな所はクロアチアのドゥブロヴニクです。玄関が海でアドリア海に面した城塞都市「アドリア海の宝石」と呼ばれています。内戦で2000発の砲弾、爆弾を浴び町は壊滅状態に陥りましたが1995年以降、自分たちの誇りでであるこの町は市民たちの手によって再建され当時の面影が今も残っています。
世界遺産は見た目の美しさだけでなく現在まで生き残ってきている中での苦難やその背景に持つ意味も含めすべてが世界遺産です。
 

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昨年は富士山も登録され現在、世界遺産は981もあります。まだまた知らない素晴らしいところがいっぱいあるという感じです。世界遺産の種類は文化遺産・自然遺産・複合遺産があります。残念ながら日本には複合遺産はありません。
世界遺産の始まりはエジプトのアブシンベル神殿で、岩を刳り貫いて造った岩窟神殿です。この神殿では年に2回神殿の奥まで朝の光が神殿の奥のラムセス2世を照らすようになっています。世界遺産登録が起こるまでは素晴らしい自然や建物も全て国、王様もしくは宗教のものでした。がそれは人類すべてが生きてきた証で、自分たちの宝として守っていこうということになりました。
 いろんな国の世界遺産を見ていると日本にも同じような景色があるのでここも世界遺産に推薦してはどうかというところがあります。たとえばスイスの「ラヴォー地区の葡萄畑」の農業景観が世界文化遺産を見ていると宇治茶畑もいけるのではないかと思います。世界遺産推進委員にもなっているので是非推薦したい所です。
 

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 自然には国境はないということがカナダ、アメリカにあるウォータートン・グレーシャ国際平和自然公園です。また武力紛争、自然災害等の重大な危機にさらされている危機遺産も多く現在44か所あります。それを見ていると私達が住んでいる町の文化財や景観を守ることの大事さを感じさせられます。姫路城は入場料が上がりますが個人的には反対で多くの方が、図書館のように平等に文化財を楽しめる状態にすることが良いのではと思います。掛かる経費は地元の優良企業が寄付やバックアップできるような体制が取ることができればと思います。
 
綺麗で楽しい世界遺産ばかりではなくアウシュヴィッツのような「負の世界遺産」もあります。世界遺産を知ることによっていろんな国の歴史や文化を知ります。地球上の素晴らしい物を見ることによってその成り立ちを非常に愛しいと思います。美しい地球を壊したくない。自分が仲良くなった国の人たちと戦争をしたくない。と人なら思うはずです。その事の積み重ねがこころの中に平和のとりでを築くことになはずです。(記事 岸本幸子)
 
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