活動内容

旧議場土曜講座 3月は「京都御苑の歴史」(2017.3.18)

旧議場土曜講座 3月は「京都御苑の歴史」(2017.3.18)

昨年10月から「京の四方山ばなし」のテーマで都草会員が講師を務めてきた旧議場土曜講座も、いよいよ最終回です。トリをかざったのは水本博会員、「京都御苑の歴史」についてお話ししました。今回も盛況で、2階席も満席になるほど多くの方が聴きに来られました。

講演する水本博会員
講演する水本博会員

 水本会員の講座は、京都御所変遷の歴史から始まり、御所周辺の史跡、御所の内部の解説と多岐にわたる盛りだくさんの内容でした。

 

内裏の歴史

 天徳4年(960)、平安京遷都以来初めて内裏が焼亡、その後焼失・再建を繰り返したが、安貞元年(1227)に焼亡後は内裏は再建されず、天皇は里内裏(仮の内裏)を転々とした。元弘元年(1331)、光厳天皇が東洞院土御門殿で即位、この地が内裏として確定された。

 以降も焼失・再建を繰り返し、寛政2年(1790)に再建された寛政度内裏は、光格天皇の強い要望により、紫宸殿・清涼殿・飛香舎(藤壺)等が平安時代の古式に則って再建された。安政2年(1855)に再建された内裏は寛政度内裏を踏襲している。これが現在の京都御所である。

 

京都御所周辺の史跡

 閑院宮邸跡-宝永7年(1710)に東山天皇第6皇子の直仁親王を初代として閑院宮家が創設された。この閑院宮家から光格天皇が出、現在の天皇へと皇統は続いている。

   光格-仁孝-孝明-明治-大正-昭和-今上

 堺町御門(高麗門)-幕末は長州藩が警備を担当していたが、文久3年(1863)に起きた八月十八日の政変で、京都から長州藩が追放された。

 蛤御門-元治元年(1864)7月19日、長州藩と会津藩・薩摩藩などとの間で、蛤御門の変が起きた。

 橋本邸跡-皇女和宮の生家である。和宮は有栖川宮熾仁親王と婚約を破棄し、14代将軍徳川家茂に嫁いだ。

 猿ヶ辻-京都御所の北東は鬼門にあたる。その鬼門に御幣を持たせた猿を置き守らせたので、この名がついた。

 中山邸跡-嘉永5年(1852)、明治天皇が生まれた。

 

京都御所

 京都御所は、大きく3つのエリアに分かれている。南は紫宸殿を中心に政治、儀式の場、中央は御常御殿を中心に天皇の日常生活の場、北は皇后を中心に女性の生活の場-後宮である。

 宜秋門(公家門)-公家の通用門。

 建令門-京都御所の正門(南門)にあたる。慶長度内裏で南門として建てられた。

 建春門-御所の東側の門。文久3年(1863)7月30日・8月5日に、孝明天皇の前で会津藩が馬揃え(軍事演習)を行った。

 朔平門-皇后が使った正門。朔は、北を意味する。

 月華門-紫宸殿と南庭を囲む廻廊の西側の門。平安時代は右近衛府の陣(詰所)があった。 月華門⇒右近橘

 日華門-紫宸殿と南庭を囲む廻廊の東側の門。平安時代は左近衛府の陣(詰所)があった。 日華門⇒左近桜

 紫宸殿-天皇の即位・元服・節会など、重要な儀式が行われた御所の正殿。

 清涼殿-紫宸殿の北西に位置する。10世紀中ごろから天皇の日常生活の御殿となった。

 小御所-鎌倉時代以降の内裏に建てられるようになった。江戸時代には、皇太子の元服の儀式や、天皇が将軍や大名に対面する場所になった。慶応3年(1867)12月9日深夜の小御所会議で、徳川慶喜の辞官納地を決定した。

 御学問所-慶長18年(1613)慶長度内裏で、徳川家康が建てた。慶応3年(1867)12月9日、明治天皇は、ここで王政復古の大号令を発した。

 御常御殿-天正17年(1589)豊臣秀吉が清涼殿から独立させ建てた。天皇の日常の生活の場所。孝明天皇も明治天皇もここで過ごした。

 仙洞御所-寛永4年(1627)後水尾天皇の退位後の御所として高台院殿跡に建てられた。光格上皇の仙洞御所を最後に、嘉永7年の焼失後は再建されず現在に至っている。

  • 四親王家-伏見宮・桂宮・有栖川宮・閑院宮(皇位を継承することができる家柄)
  • 五摂家-近衛家・九条家・鷹司家・一條家・二條家(摂政、関白に任じられる家柄)

限られた時間の中で、あれもこれもと欲張り過ぎて、時間に追われ、説明し忘れた点も何か所かありました。反省すべきところは今後に生かしたいと思っています。

                         (会員 水本博)

 

講演する水本博会員
講演する水本博会員

 

最後は時間を気にしながら
最後は時間を気にしながら

 

最終回も議場は満席でした
最終回も議場はお客様で一杯になりました

 

2階席も満席になりました
2階席も満席です

 講演の前には歌とバイオリンデュオのミニコンサートがあり、来場された方々も楽しんでおられました。 

歌とバイオリンデュオによるミニコンサート
歌とバイオリンデュオによるミニコンサート

旧議場土曜講座は、4月からテーマが「お茶の京都」に変わり、多彩な講師がお話しします。

なお、4月からの講座は事前申し込み制になります。申込先は京都府府民総合案内・相談センター(075-441-5000)です。

 

(広報部 須田信夫)

(写真 須田信夫)

 

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