活動内容

第77回研究発表会報告、住 邦夫会員(15.12.22)

第77回研究発表会報告、住 邦夫会員(15.12.22)

◆日 時:平成27年12月22日午後1時00分~午後4時00分
◆場 所:ひとまち交流館 京都 3階
◆研究発表:1. 「天部(てんぶ)の寺の仏たち」 住 邦夫会員

◆参加人数:39名
◆参加費 :500円 一般参加費 :700円

第1部は今回で7回目の発表になります住 邦夫会員より「天部(てんぶ)の寺の仏たち」です。
まず、天部とは仏陀、菩薩、明王があり、更には人間に近い仏として存在するものです。
印度亜大陸には、仏教よりもはるかに古い信仰としてヒンドゥ教(多神教)が土着していたが、
ヒンドゥ諸神の中で仏教の中にとりこまれた神を、特に天部という。
ほとんどの仏は男性ですが、天部には女性もいます。

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印度仏教史には4つのエポックがありました。BC5世紀に釈迦が誕生したのが仏教の始まりです。
マウリア王朝時代が最盛期で、原始仏教及び部派仏教の時代です。
次にクシャナ王朝で大乗仏教の時代が500年続きました。
5世紀頃から密教の時代に入り、8世紀に後期密教の時代になりました。
そのころから紀元前15世紀に誕生したヒンドゥ教が再び興勢し、仏教は次第に衰退しました。
13世紀にはイスラムの進出も加わり、印度における仏教は完全に消滅しました。
釈迦はネパールで誕生し、クシナガラで80歳、沙羅双樹の下で入滅。
この時代と入滅後100年間くらいを原始仏教といい、その後紀元前後までを部派仏教というが、
日本には定着しなかった。
この時代から各種菩薩より先に、天部(梵天、帝釈天、四天王、八部衆)は導入されていました。

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大乗仏教は在家信者も含めた幅広い大衆が、何らかのかたちで成仏できる仏教で多仏化・多菩薩化が
進み浄土教が成立。
この大乗仏教が飛鳥から奈良時代に日本に入ってきた仏教です。密教は大日如来を頂点とした
多くの仏で明王への信仰と加持祈祷をしました。
空海が日本に将来したのは、この時代の密教です。この時代の天部は十二天、吉祥天、弁財天などがありました。

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 日本では奈良時代に仏教が花開きました。天部の寺は東大寺の戒壇院四天王、法華堂の梵天、帝釈天、四天王。
新薬師寺の十二神将。興福寺の八部衆(阿修羅が特に有名)。
京都では教王護国寺の天部は梵天、帝釈天、四天王、十二天屏風、とばつ毘沙門天、胎蔵界曼荼羅。
三十三間堂の二十八部衆。京都市の天部の(国宝、重文)の一覧表を見ると広隆寺と
醍醐寺に多く残されています。

(記事 岸本 幸子)

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