活動内容

第71回研究発表会報告、土井 三郎様・菊井 俊彦会員(15.04.16)

第71回研究発表会報告、土井 三郎様・菊井 俊彦会員(15.04.16)

◆日 時:平成27年4月16日午後1時10分~午後4時00分
◆場 所:ひとまち交流館 京都 3階
◆研究発表:1. 歴史カルタで八幡再発見 土井 三郎様
      2. 京都 町中に生きる小さな祠(その1) 菊井 俊彦会員
◆参加人数:30名
◆参加費 :500円 一般参加費 :700円

 第1部は 八幡の歴史を探究する会の代表をされています土井 三郎様より「歴史カルタで八幡再発見」と題し地域での取り組みについてのお話を伺いました。2010年より京都府八幡の歴史についての探究と共有を目指して、講演会や歴探ウォークの開催、会報の発行等の活動を積極的におこなわれていらっしゃいます。

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まず、最初に2013年春にNHK京都放送「京いちにち」の中で歴史カルタについて取材を受け放映された様子のDVDを見せて頂きました。カルタになったきっかけは歴史探訪ウォークの時に和歌や俳句を持ち寄って散策をしよう。というところから始まりました。
262の句が集まり選考会が行われました。あいうえおの「あ」から始まり「わ」まで47句、時代・人物等が重ならないようにバランスを考え選ばれ、この様子は毎日新聞に掲載されました。そしてこれを読み札のまま終わらせるのはもったいないと思っていたそんな中、八幡市を中心に美術の教師をしていた方に絵札の絵を書いて頂いただくことが出来ました。

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そして読み札の裏には「いつ、どこで、だれが、どうした」を基調とした解説文も作成することが出来ました。
解説文の参考になったのが結果として「歴史探究会」が開催した講演会や会員研究発表会の概要をまとめ、自分たちがこれまでに発行している会報です。
八幡市は歴史や文化が豊富に残っている地域で、郷土史会の石碑の研究、石清水八幡宮や松花堂研究会など八幡の歴史を愛してやまない多くの市民がいます。
会は講演会をもち、現地見学会を行い、発表し学びあう三本柱を要に活動をしています。
そして城南郷土史研究会代表の中津川敬朗先生の「地域から学んだことは地域に返す」という言葉にあるように歴史カルタは正にこの言葉に当てはまる物になりました。会報の記事から学んだことをカルタに反映できたのです。
カルタは子供文化祭やで使われ楽しんで頂き、市内の小学校すべてに寄贈しました。

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「く」国境 烽火の煙 男山 ―(解説)七世紀末に律令制がしかれ、国制が整いました。山城と河内を接する男山には、烽火台などが作られました。また、弥生時代、幣原に烽火があがり戦に備えたかもしれません。
男山は中世の戦乱期にも、烽火があがったことでしょう。
「り」利休とも 語りあったか 瀧本坊 ― (解説)石清水八幡宮領は検地免除、守護不入の地として、時の権力者や敵対者から逃れた人やものが入る避難所でもありました。
そこではいろいろな語らいもあったことでしょう。利休は秀吉に従軍する際、大事な茶壷を瀧本坊に預けたそうです。
いくつかカルタの句を読み上げ解説をして頂きました。

 (記事 岸本 幸子)


 
 第2部は菊井 俊彦会員の京都 町中に生きる小さな祠(その1)です。  
昨年10月にご発表頂いた「松原通を歩く」の現地調査を進めるうち、各町内に小さな祠がたくさんあることに気付きました。
よく町内にお祀りされているお地蔵様とはまた違う祠がたくさん存在するのです。その一つ一つを訪ねていくと、祠を守ろうとされている各町内の苦悩が見えてきました。
ちょうどお火焚祭の時期、50町を目標にスタートした中から、13町内で行なわれていたお火焚祭に参加してきました。

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 お火焚祭は、旧暦11月に行なわれる民俗行事で、一年のうち最も太陽の光の弱まるこの時期に火を焚くもので、町や村を単位とした行事としても広く行なわれている市民に密着した京都らしい民俗行事です。当時のくらしを知る上で大切な資料である「洛中洛外図屏風」にも、祭に参加するたくさんの子供達の様子が描かれています。

このようなお火焚祭の様子のお話致しましたが、その一部をご紹介致します。

1. 弁財天女
  旧今出川通新町西入弁財天町、狩野元信邸跡、狩野の辻子の奥にある祠です。
  お経を唱えるだけのお火焚き祭が行なわれます。

2. 大峰殿
  西洞院通一条上ル大峰図子町にある祠で、ご神体は大きな岩。現在は護王神社を祭主社としてお火焚き祭を行なっておられます。

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3. 鉄輪の井戸で知られる命婦稲荷神社
  祭主社は市姫神社で、今年で80年を迎えられ現在改修が行なわれています。狭い路地の中で、お火焚き祭が行なわれます。

4. 松明殿稲荷神社
  以前は常駐の宮司さんがおられたようですが、現在は新日吉神社がお火焚き祭の祭主社になっておられます。
  かなりたくさんの護摩木が集められ、立派なお火焚きです。

5. 新玉津島神社
  六孫王神社が祭主社で、末富さんともう一軒だけで行なわれるこじんまりとしたお火焚き祭りが行なわれます。

6. 吉水稲荷神社
  不明門通、マンションの間にある祠で、菅大臣神社が主祭社。呉服商「上田寛」の屋敷内にあったといわれる社です。

7. 越後神社
  六角通堀川東入、青山篠山藩の藩邸跡に残る社で、今でも盛大なお火焚き祭が行なわれています。

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 さらには、祠がないにもかかわらずお火焚き祭の祭事を行なっておられるところもございました。
190年前の稲荷大明神の掛軸がご神体というところもございました。
3月末現在の51町+番外5町から、祠の分布は下京中心、とくに東側に多いことも分かってきました。
興味はつきませんが、町内の紐帯である祠。何とか今後も残って欲しいものです。

*町内で祭事を行っている祠をご存知の方は菊井さんまでご連絡お願い致します。

(記事 松枝 しげ美)

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