活動内容

第28回都草研究発表会(11.4.9)

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第28回都草研究発表会(11.4.9)  

 日  時: 4月9日(月) 午後1時15分~

場  所: ひとまち交流館3階
研究発表: 『地蔵信仰の歴史的考察』 発表者 理事 櫻井英成
参加人数:15名
参加費 :300円 (今回の参加金は東日本大震災の寄付金といたしました)
 
都草の不思議研究会では、京のお地蔵さんについて現在調査を行っており、近く「お地蔵さんめぐり寺町界隈マップ」として発刊されます。
それに伴い今回は地蔵信仰について研究しておられる桜井理事に、『地蔵信仰の歴史的考察』と題して2時間30分たっぷりとお話しいただきました。
 
我が国の仏さまの中で民衆に最も親しまれているのが地蔵菩薩です。
地蔵菩薩はインドのバラモン教から起こり、中国を経て奈良時代に日本へ伝えられました。
平安時代、源信は地獄で衆生を救う地蔵の姿を「往生要集」に著し、貴族の間に地蔵信仰が広がり、中期以降になると末法思想と浄土思想の勃興により、民衆の間にも地蔵信仰は浸透していきます。
鎌倉仏教が登場すると、葬送追善儀礼が重視されるようになります。そこで民衆の冥界への素朴な恐怖を救う「十王信仰」が生まれ、地獄の支配者閻魔王の本体は地蔵菩薩であるとして更に信仰を深めます。
江戸時代に入ると世の中も落ち着き、神仏への祈願風習が流行し、延命地蔵、身代わり地蔵、子育て地蔵、腹帯地蔵など治病の利益を中心に多種多様な地蔵が誕生し庶民の信仰を集めています。
 
 しかし、明治の神仏分離令が発令されると、仏教は世の中を悪くした要因であると廃仏毀釈の嵐が吹き、町から大日堂や地蔵堂は一時姿を消しました。
明治16年盂蘭盆会に関する禁止令も解除され、民間信仰としての地蔵信仰は復活します。
 
このような地蔵信仰の歴史について詳しく語られた後、京都の入り口に設けられている六地蔵の由来、生者も死者も導くことから繋がる道祖神と地蔵菩薩の民俗信仰、子どもと地蔵の関係、地蔵盆や戦後に生まれた水子地蔵に至るまで、お地蔵さんのあれこれをお話しされました。
 
講演の後、参加者からのいろいろな質問もあり、皆がそれぞれに地蔵に寄せる意見を交わし、お地蔵さまを一層親しく身近に感じた研究会でした。

           

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 (記事と写真 林寛治 副理事長)

(事務局 小松香織)

         

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