活動内容

第10回都草歴史探訪会~春の御室つれづれ歩き~(09.3.22)

第10回都草歴史探訪会~春の御室つれづれ歩き~(09.3.22)

◆日時:平成21年3月22日(日) 午後12時30分   JR花園駅集合    曇後雨

◆参加者:38名

◆案内者: 高橋(明) 中江 俊藤 切島 西久保

◆順路:法金剛院~鳥羽中宮花園西陵(待賢門院陵)~長泉寺~

撮影所跡・オムロン発祥の地~仁清窯跡~蓮華寺 五智如来石仏

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●法金剛院

関西花の寺第13番霊場に数えられる法金剛院の待賢門院桜は、この日早くもチラホラと花開き雨模様の空のもとで私たちを優しく迎えてくれました。

平安時代の初め、右大臣清原夏野がこの地に山荘を造り、彼の没後双丘寺となりました。天安2年(858年)、文徳天皇の御願によりここを天安寺と改めましたが荒廃し、大治5年(1130年)待賢門院によって法金剛院として再興されました。往時は、鳥羽上皇も度々行幸され、広大な寺域に西、南御堂をはじめ三重塔、女院の寝殿など多くの伽藍が建ち並んでいました。今も平安時代の面影を残す池泉回遊式浄土庭園は、初夏の頃には蓮の花が美しく、巨岩を組み合わせた青女の滝は石立僧林賢と静意の作で、現存する平安時代石組みの最大のものいわれています。本尊阿弥陀如来(平安・重文)は本堂工事中のため、拝観できませんでしたが、金色の目をした丈六お地蔵様を拝しました。

●鳥羽中宮花園西陵(待賢門院陵)

待賢門院 正二位権大納言藤原公実の女で名前は璋子。7歳にして父を亡くし、養父白河院とその寵妃祇園女御に養われ、のち鳥羽天皇の中宮となり、崇徳天皇、後白河天皇が生まれています。絶世の美女ゆえ数奇な人生を歩んだといわれる。佐藤義清(西行)が密かに思いを寄せ、苦悩の後出家した一因になった女性だとも伝えられています。晩年は仏門に帰依し、法金剛院で過ごした。

●長泉寺

元禄年間(1688~1704)浄土宗の寺として双ケ丘の東麓に建立され、境内には吉田兼好の塚と「契り置く花とならびの岡の辺に哀れ幾世の春をすぐさむ」の兼好の歌碑があります。南北朝の歌人吉田兼好は、吉田神社の神官家に生まれ、後二条天皇に仕えましたが、帝崩御に伴い出家、日本各地をめぐった後、双ケ丘西麓に庵を結び、ここで徒然草を著わしました。兼好の塚は、江戸中期に双ケ丘西麓からこちらへ移されました。

●撮影所跡・オムロン発祥の地

オムロン株式会社は、立石一真氏が大阪で立石電機製作所を創業、昭和20年(1945年)双ケ丘撮影所跡地に工場を開き、御室に因み後に社名をオムロンとしました。

●仁清窯跡

野々村仁清は、仁和寺が再興された正保年間(1644~47)、仁和寺門前に御室窯を開き、仁和寺の仁と清右衛門の清をとり仁清と称しました。絶妙の轆轤成形、色絵の意匠にも才能を発揮し、京色絵陶器を完成させました。

●蓮華寺 五智如来石仏

天喜5年(1057)藤原康基は、後冷泉天皇の御願により蓮華寺を建立しましたが、応仁の乱で焼け鳴滝音戸山へ移されました。寛永18年(1641)江戸の富商樋口平太夫によって再興され、五智如来の石仏が刻まれました。昭和3年寺院は現在地に復し、昭和33年山上に残されていた石仏群もこの境内に移されました。五智如来は智恵の祈願仏で、西から釈迦、阿弥陀、大日、宝生、薬師如来と並んでいます。

●仁和寺  

仁和4年(888)、父光孝天皇の意思を次いで仁和寺を創建した宇多天皇は、昌泰2年(899)出家して延喜4年(904)に住坊を建てて移住した。以後、鎌倉時代まではそのときの天皇の皇子、それ以降も親王や宮家出自の住職が明治初年まで継承し、門跡寺院筆頭の寺院として「御室御所」と呼ばれました。

●二王門(重文・江戸)

正保元年(1644)徳川家光の寄進よる建立と伝えられ、五間三戸、重層入母屋造りで、左右に仁王像を安置する。知恩院や南禅寺の門に見られる柱の粽や山廊を持たず、側面の破風には懸魚があるなど、創建時の王朝風をしのばせる和様の門です。

●御室の桜と五重の塔

遅咲きで知られる御室の桜は、まだこの日蕾もみられず、春遠しといった風情でした。寛永期(1624~44)建立の五重塔(重文)も、冬木立の中で寒々しく感じられました。

●宮廷風のたたずまい

現在の建物の多くは、覚深法親王による寛永11年(1644)からの復興時に内裏の旧殿舎が移築、利用されたものです。金堂(国宝) 慶長造営の旧紫宸殿を仏堂としたもので、屋根が桧皮葺から本瓦葺に変わった以外はほぼ原形を残し、内陣は化粧屋根裏天井を用い、近世初期の数少ない宮殿建築の遺構です。

●御影堂(重文) 慶長造営の清涼殿の古材を賜ったもので、蔀戸とともに高欄付きの縁があり、宮廷風住宅の面影を残しています。

(当日配布された資料を参考にまとめました。副理事長 林)

 

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