活動内容

第74回研究発表会報告、岡田 英三郎会員・吉岡 央会員(15.08.31)

第74回研究発表会報告、岡田 英三郎会員・吉岡 央会員(15.08.31)

◆日 時:平成27年8月31日午後1時10分~午後4時00分
◆場 所:ひとまち交流館 京都 3階
◆研究発表:1. 「コマイヌ(狛犬)ワールド」 岡田 英三郎会員
      2.「京都鉄道史あれこれ 続編」 吉岡 央会員
◆参加人数:33名
◆参加費 :300円 一般参加費 :500円

 第1部は 通算7回目となる岡田 英三郎会員より「コマイヌ(狛犬)ワールド」について。
メソポタミア(エジプト)で発生した守護獣(ライオン)が大陸を経て日本に渡来し、日本独自に発展したコマイヌ。
学術用語としては「獅子・狛犬」が正しいのですが、1回1回使っていては大変だということで、あえてカタカナの「コマイヌ」という表記を用いられたのだそうです。
実際向かって右手にいて口を開いているほうが「獅子」、向かって左手にいる口を閉めている方が「狛犬」、この両者をあわせて私たちは普段「コマイヌ」と呼んでいます。

DSC08673

どこの神社にもコマイヌはいると思っていませんか?
コマイヌなんてどれも同じなどと思っていませんか?
じつはコマイヌは意外と個性的・・・。
たとえば北野天満宮。
12対のコマイヌのほか、宝物館に3体と、京都で一番コマイヌが多い、コマイヌの宝庫です。
また安井金比羅宮では、年号が確実な京都で一番古いコマイヌがいます。明和4年、1767年のものがあります。
またコマイヌをじっくり観察してみると、姿態や表情に実に様々な種類があります。
座っているもの、胸を張って反り返っているもの、今にも飛び掛ろうとしているもの、非常にバラエティーに富んでいます。

DSC08679

もっと細かいところでは、目の表現、耳の形、巻き毛の有無や尾の種類など、多岐に渡っています。
雄雌を区別したコマイヌも数は少ないですがいくつか存在するそうです。
それでは狛犬の居場所はどうでしょうか。
はじめは「御所の御帳台」の守護獣として室内に入り、それが室外に出て建物を守護する神殿狛犬となり、やがては参道に出て、現在わたしたちがよく目にするような参道狛犬として設置されるようになりました。

DSC08680

また参道では風雨にさられることが多いので、石造の狛犬が一般的になっています。
それに対し、神殿狛犬には木が使われることが多く、中には陶器や瓦製、セメント製のコマイヌに出会うこともあります。
このようにコマイヌの探究は尽きませんが、コマイヌは寄進者(制作依頼者)と製作者(石工)の個性が非常に色濃く出ています。神社へ行かれたらぜひコマイヌにも目を向けてください。

(記事 松枝 しげ美)


 
 第2部は吉岡 央会員より「京都の鉄道史あれこれ 続編」です。今年の3月に発表して頂きました続きになります。京阪京津線の開通当初と思われる大正時代のポスター画像からのお話です。
当初は京津電気軌道として大正1年8月開通しました。三条大橋から90度の角度で曲がる、札の辻(浜大津近隣)を通っていました。当時の運賃は往復で28銭。京津線はカーブがきつい所が多く昔はキーッと音を出し走っていました。それを防ぐために線路から霧を出しレールと車輪との摩擦を軽減していました。

DSC08681

ケーブルカーも車両を巻上機等で巻き上げて運転する鉄道で、鋼索鉄道ともいいます。比叡山のケーブルカーの標高差は日本一で516m、坂本ケーブルは全長2025m、日本一長いケーブルカーです。 鞍馬山のケーブルカーは鉄道会社ではなく、鞍馬寺が運営しています。タイヤにゴムを使っていることも珍しく、全長207mで最も短いケーブルカーとして日本記録を持っています。
愛宕山鉄道は昭和5年開通から昭和19年までのわずか14年で太平洋戦争のため廃止された幻のケーブルカーです。現在は清滝にケーブルカーの後が確認されます。
大正14年には大津から宇治へと抜ける宇治川ラインが開通しました。各地で名称に付けられているラインはドイツのライン川を文字ったもの。レール幅が612mmの小型のおとぎ電車が走っていました。
昭和25年から36年まで観光遊覧も兼て6両のミニ客車を牽引していました。

DSC08686

嵯峨には日本で唯一の観光鉄道があり、日本でも珍しい女性のディーゼル機関車運転士がいます。 D=ディーゼル機関車、E=エンジンで動力のことで5軸、SJ=スチームジェネレーターなどがトロッコに付けられたマークの意味です。現在の客車は貨車を改造したものです。
大井川鉄道にはラッピング電車という車体に広告が貼り付けられた、短距離路線専用の機関車C11型「きかんしゃトーマス」が走っていて、客車もキャラクターに併せてカラフルに改装塗装されています。大井川鉄道は全国からの古い列車が集まって再利用されています。

DSC08689

JR九州には超豪華客車クルーズトレイン「ななつ星in九州」が走っています。ディーゼル機関車1両と、客車7両で運転されていて、表記は「DF200-7000」、77系客車が使用されています。北海道支社用電気式ディーゼル機関車DF200形を設計変更された一等寝台です。
今年3月に引退したトワイライトの後継で、豪華寝台列車 瑞風(みずかぜ)が2017年春に運行を予定しています。1両1室の最上級客室があるようで料金はいくらになるのでしょう。
梅小路蒸気機関車館もいったん昨日8月30日をもって休館しましたが来年春には京都鉄道博物館がオープンするので楽しみです。

(記事 岸本 幸子)

活動内容
このページの先頭へ戻る

Copyright © MIYAKOGUSA All Rights Reserved.