活動内容

『「京のお地蔵さんめぐり」プロジェクト』(第9回不思議研究会)開催結果(10.6.12)

  

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『「京のお地蔵さんめぐり」プロジェクト』(第9回都草不思議研究会)開催結果(10.6.12)

◆日  時:6月12日(土) 午後1時30分~

◆場  所:ひとまち交流館京都3階第5会議室(下京区河原町通五条下ル東側)

◆講  演:第一部

       「地蔵菩薩の成り立ちとその見方」

         講師 佛教大学宗教文化ミュージアム 近藤 謙先生

       第二部

      ・調査票の考え方と詳細設計について

         説明 (株)クリーンベル 代表取締役 吉田 治雄氏

      ・調査票に関する討議

◆参加人数:25名

◆参加費 :300円

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               ★平明にお話下さった近藤先生

 

「京のお地蔵さんめぐり」プロジェクトが立ち上がり、実際に調査します前に、お地蔵さ
まの成り立ちとその見方について勉強することになりました。佛教大学の近藤先生がこの
プロジェクトに共感して下さり、快く講演も引き受けてくださいました。
<以下に近藤先生のご講演の内容を要約します。>
お地蔵さまは人々を救済するために六道世界を渡り歩く仏で、どのような境遇の人であっ
ても救いの手を差し伸べるというお地蔵さまのそのあり方が厚い信仰を集めるようになっ
ていったそうです。「地蔵」とは大地の力を宿したものというのが本来の意味で、もとも
とはインドの神さまがその起源です。日本には、実際には奈良時代(八世紀)に入ってから
中国、朝鮮半島より伝えられ、『日本霊異記』には既に地蔵と閻魔を同体と考えることが
受け入れられていました。
平安時代に入り各地で地蔵が作り始められたが、錫杖、宝珠を持たない古い姿が多いです。
太秦の広隆寺に安置される日本最古の地蔵像は、単独でなく、虚空蔵菩薩と組み合わされ
ており、このような形式が多かったということです。
平安時代後期に入り末法思想が流行り始めると、極楽往生を求める信仰が流行する一方、
往生できなかった場合の救済についても関心が高まり、六道いずれの世界に生まれ変わっ
ても仏の救済に与れることが求められておりました。六道全ての世界を巡り歩くとされた
地蔵への信仰が注目を集め、「六道の救済者」という性格が強く前面に押し出されてくる
ことになり、ここで現れたのが六地蔵になります。この頃から僧が各地を巡り修行する際
に持つ錫杖が六道を巡る地蔵のシンボルとして、左手には宝珠を持つ新しい形式の地蔵が
流行し始めます。
鎌倉時代頃には、浄土への往生を求める信仰が広く社会の流行となり、その裏返しとして
地獄に落ちることへの恐怖が説かれるようになり、地蔵と閻魔が同体であるという信仰が
広く受け入れられます。地蔵は鎌倉時代以降、庶民にとって生きている間は自分や子供を
不幸から守ってくれる存在であり、死後は冥界の責め苦から救済してくれる、現在と未来、
二つの世界にける救済者として信仰されるようになります。このようなことが他の仏・菩
薩から抜きん出て地蔵が身近に信仰されるようになった要因となりました。また合戦によ
り殺生を避けられない生活をしている武士にとり、罪を犯してもお地蔵さんを信仰してい
れば救済してくれるという、このような信仰が多くの武士に受け入れられていき、鎌倉を
中心とする東国では地蔵像の名作が多いということです。
室町時代に入り、なお武士による地蔵信仰は盛んで、愛宕山では地蔵が馬にまたがり、鎧
兜を身につけた戦勝の神、「勝軍地蔵」として祀られ信仰されました。
さらに石地蔵の歴史は鎌倉時代に始まるというお話では、中国より呼び寄せられた「伊」
を苗字とする石工のグループが日本で数多く産出される石を選び、耐久性のある石塔や石
地蔵を作り、各地へと広まることになりました。中国・南方における石造物を作る習慣が
持ち込まれてもいました。そして石地蔵の形状等の説明がありました後、全体のまとめと
して、プロジェクターにより様々なお地蔵さんを拝見させて戴きました。
濃密な内容にも関わらず、先生の明瞭なご説明によって大変理解し易く、私達の今後の調
査にとって大変有益な講演となりました。
 

 

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               ★調査票の考え方について述べられる吉田氏

続いて吉田治雄氏より、お地蔵さんの調査票の考え方とデータベースの詳細設計について
お話がありました。また、調査項目等に関しての討議では、近藤先生の専門的なお立場か
ら、的確なアドバイスがありました。
 

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               ★アドバイスを下さる近藤先生

 

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                ★調査員の為に一生懸命考えて下さる吉田氏

 

 

 

(事務局 小松)

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