活動内容

第52回研究発表会(13.8.30)

 52回研究発表会(13.8.30)

◆日 時:平成25830日午後110分~午後350

場 所:ひとまち交流館 京都 3

研究発表:1. 竹内栖鳳「アレ夕立に」の謎を追う 石塚みず絵 会員

        2.壬生狂言の世界から 百瀬明美 会員

参加人数:37

参加費 :300   一般参加費 :500

 

1部は石塚みず絵会員より竹内栖鳳「アレ夕立に」の謎を追う~邦楽の観点から~の発表です。

京都画壇の重鎮で、第一回文化勲章の受賞者でもある竹内栖鳳の代表作「アレ夕立に」は、1909年、第三回文展に出品されたものであり、モデルの舞妓が「山姥」を舞っている一瞬の姿を描いたと伝えられています。 

 しかし、その見解は美術史の研究者の中でも人によって様々であることに驚き、三味線の名取りでもいらっしゃる邦楽の専門家からの目線で、調査を始められました。 

 

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 「アレ夕立に」に登場する舞妓が舞ったとされる「山姥」ですが、この山姥を題材にした曲は謡曲のほか、義太夫(浄瑠璃)、常盤津、地唄、長唄、富本、清元などの諸ジャンルに存在するため、まずどのジャンルの曲かということから調査を始めました。

 

「アレ夕立に」という歌詞があるのは、清元のみ、さらに、絵に描かれた扇舞の紋から、祇園甲部の井上流の舞と判明しました。

そこで、井上流の古い映像資料から、「山姥」を探し出し、その中から「あれ夕立に」と同じポーズになる箇所を突き止めました。その長さわずか0.1秒。

 

 

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 以上から、「アレ夕立に」は祇園甲部の舞妓が、清元の「山姥」を京舞井上流で舞った一瞬を描いたと断定することが出来ましたが、これは邦楽(音楽)の観点からアプローチすることによって初めて分かりえた美術研究の一環です。

またさらに、謎を追求していくと、難局である「山姥」をどうして舞妓が舞えるのか?という疑問が残りますが、それは次回のお楽しみということにさせて頂きます。

 話が前後してしまいましたが、今回は三味線持参で研究発表会にお越し下さいましたので、三味線の歴史、三味線の種類、それに構造。 さらには、三味線音楽の種類を「語りもの」と「唄いもの」の2つに分け、一つ一つ詳しく教えて頂きました。

 

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そして最後には、夏の曲と秋の曲を一曲ずつ披露していただきました。
本当にありがとうございました。

 

(記事 松枝しげ美)

 


 

2部は百瀬明美会員より壬生狂言の世界芸能史・芸能面の視座から-の発表です。
壬生狂言との出会いは2001年の春で、壬生狂言を初めて見た時に大パニックになりました。何故かというと普段能楽堂にある格式ある能面が他の見たことのない別けの解らない面と一緒に使われ、飛んだり跳ねたりしていたからです。衝撃的な第一印象でした。
その不思議な世界に引き込まれ気が付けば東京から通い詰めること40回ほど。炮烙割を見るときは正面最前列、その他の演目は正面真ん中の前から3列目が演者の目線と同じ高さになるのでお勧めです。

 

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 日本人の芸能好きは世界から見ると度が越えていまして、芸能好きのDNAを私も受け継いでいます。芸能の起源は天岩戸のアメノウズメの舞が始めとされます。芸能は国家制度として発展していましたが、唐からの散楽が入ってきたことにより民間芸能が新たに立ち上がってきます。呪師、延年、田楽、千秋万歳、猿楽、今様、曲舞、平曲、白拍子、幸若舞から田楽と猿楽が飛び出し壬生狂言は生まれてきました。壬生狂言は猿楽であり猿の物まね芸であったと思われます。
もう一つは融通念仏から起こった踊り念仏です。踊りの中では生者と死者の境界があいまいになり、死者との交流が背後にあります。壬生狂言では奉納された死者の着物などを着て演じられます。死者との交流をじっと祈る事ではなく体を動かし踊りに投じることで実感しています。壬生狂言の歴史は1300年円覚上人が疫病退散の法会を行ったのが壬生狂言の始まりと伝えられています。

  

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 その後江戸時代に入ってから本格的になってきたようで、1791年に大念仏堂が建てられています。近年ではシラク大統領が「土蜘蛛」を鑑賞。1976年には京都で最初の重要無形民俗文化財に指定されています。時代別、演目の移り変わりから「桶取」は1650年から現在まで360年演じ続けられているものあます。壬生狂言演目は30曲あり「土蜘蛛」のように芸能の内容が京都の街中に生きているところが醍醐味です。内容は多彩なためルーツは一つではないことが分ります。能から取材した演目の相違点を見るのも面白く「紅葉狩」は特に気に入っています。
壬生狂言面は大凡150面あり分類するとA、歴史上実在の人物・B、実在の人物以外で同名の専用面をもつもの・C、歴史上実在の人物で同名でない固定面を持つもの・DAC以外で面が決まっているもの(固定面)・E、その他流用性のあるものに分けられDEに壬生狂言の特徴的な面が入っていて一度見たら忘れられない味があります。

 

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 壬生狂言ファンになるきっかけとなった面は神面の頼光です。特徴はアーモンド型のつり目です。最も面白いのは古い能面の独自面です。代表的な物は「大尽」「鬼」「茨木」「とくす」です。大尽は代表作である「桶取」に使われます。鬼の面は猿の次に出て来ていますので初期より使われていたものと考えられます。創作面の「僧」ここだけにしかないもので伊藤若冲が奉納したものです。生まれも育ちも違う面達が集まって来て一つの舞台を創っているのが壬生狂言ワールドであると考えたいのです。この魅力・面白さにはまったらもう逃げられません。

(記事 岸本幸子)

 

★今回は東京支部より研究発表の為に上洛をお願いしました。遠方より参加していただきまして本当にありがとうございました。

 

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   ★ 百瀬明美 会員 ★ 石塚みず絵 会員 ★西野事務局長東京まとめ役

 

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